「ミュージシャンをやっておりましたけど、事務所を解雇され無職となっております」

 ピエール瀧こと瀧正則被告は、6月5日に開かれた初公判でそう答えた。

 コカインを摂取したとして、4月2日に麻薬取締法違反で起訴された瀧被告。

「現在、瀧さんは自宅に戻り、薬物依存の治療のため、都内の医療施設に通院しています」(スポーツ紙記者)

 裁判に臨んだ瀧被告は、憔悴している様子は見られず、裁判を傍聴していた顔見知りのお笑い芸人を見つけると会釈、裁判官が場を和ませるような発言をした際には笑顔になるなどの余裕を見せる場面もあったという。

 求刑は懲役1年6か月─。瀧被告は1年6か月後、何をしているのだろうか。

 彼の周辺は、現在も慌ただしい。逮捕により、瀧被告は所属事務所を解雇されているが……。

「さんざん貢献した人間をクビにするのか」

「長年、ともに『電気グルーヴ』として活動してきた相方の石野卓球さんも事務所を辞めようと考えはじめています。理由は瀧さんの逮捕にかかわる一連についての対応の悪さ。卓球さんに対し、事務所から今回の件についての事情説明や相談などがいっさいなかったことで、卓球さんが激怒。

 だいぶ遅れて話し合ったそうですが、“これまでさんざん事務所に貢献した人間を簡単にクビにするのか”という部分でも、卓球さんと事務所の間に溝が生まれてしまった。卓球さんは“瀧と2人で個人事務所を立ち上げて、新たなスタートを切りたい”と話しているそうです」(音楽業界関係者)

 ツイッターでも4月に《もう辞める》とつぶやいていた石野。彼がほのめかしている“独立”について所属事務所であるソニー・ミュージックアーティスツに聞くと、

「特に話し合いはしていません」

 とのことだった。

 メンバーは石野のみだが、グループとしての電気グルーヴは、現在もソニーの所属となっている。

 しかし、事件以降、彼はDJとしてのイベント出演がメインで、8月に開催される音楽フェスも電気グルーヴとしての出演はキャンセルとなったが、石野自身はDJとして出演する。

卓球さんはまだソニー所属ではありますが、DJ活動に関しては窓口が別なんです。現在、卓球さんのイベント出演がDJばかりなのは、“音楽をやるなら瀧と”という気持ちのあらわれではないでしょうか」(イベント会社関係者)

  どこへもどこまでも─。2人は彼らのヒット曲『Shangri-La』でそう歌ったが、それはこれからも変わらないのかもしれない。