ギャンブルから学んだことは?

 ギャンブル好きとしても知られる吉田さん。作中でもボートレースやパチンコの話題がたびたび飛び出す。

吉田敬 撮影/矢島泰輔
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「ギャンブルから学ぶことは多いです。例えばボートレースなら、全員の選手が1着を目指してスタートするわけですよね。でもどこかの時点で誰かが飛び出して1着がほぼ決まった瞬間、ほかの選手たちはすぐ2着争いを始めるんです。そして2着が決まったら、すぐ3着争いに移る。つまりひとつの負けを引きずらないで、次の瞬間には今できることを一生懸命やるわけです。

 だから僕もそれを見習って、テレビの収録で1度くらいスベっても引きずらないで、“今からできることをやろう”と切り替えるようにしています」

 なかには「男にとって不倫と浮気は別物」と主張する既婚女性なら気になるコラムも。「浮気は下半身の問題なので情状酌量の余地があるが、不倫はダメ」という男性目線の持論を正直に語っている。

「浮“気”というけど、浮ついたのは気持ちではなく下半身だけ。脳は妻や彼女を思いながらも、下半身に負けてしまった状態です。でも不倫は違う。脳も下半身も負けている。だから不倫はダメだと書きました。

 実はこのコラムを書いたのは、ベッキーが既婚者と付き合っていることが報じられて世間から叩かれていた時期だったので、“浮気を肯定する文章が世に出たら、俺も逆風を受けて仕事を失うかもしれない”というくらいの覚悟で書いたんです。

 でも結局、何の反響もなかったんですけど(苦笑)」

 吉田さんのウソのない言葉が並んだこの一冊は、女性が男性の心理を理解するための参考書にもなりそう。

男はゲスい部分もあるけど、ゲスいからといって優しくないわけじゃないので、それを知っていただけたら。これを読んで“夫はこんな気持ちで仕事に行っているのかな”とか、ご主人の偉大さに改めて気づくきっかけになったらうれしいですね

ライターは見た! 著者の素顔

 連載中は原稿を書き上げるたびに奥さんに見せて、「俺すごいやろ」と達成感を味わっていたという吉田さん。でも書籍になってからは、奥さんだけでなく、仕事関係者や芸人仲間にも自分からは一切、本を渡したりすすめたりはしていないそう。

「自分で渡したら、相手がSNSで感想を書いてくれないと我慢できないんで。でも一緒に仕事をするプロデューサーたちは自分で買って読んでくれたらしく、“この人すごいな”と畏敬の念で僕を見ている気がします(笑)

『黒いマヨネーズ』(幻冬舎)
吉田敬=著 1300円(税抜)
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PROFILE
●よしだ・たかし●1973年、京都府生まれ。吉本総合芸能学院(NSC)大阪13期生。1998年、小杉竜一とお笑いコンビ『ブラックマヨネーズ』を結成。2005年、『M-1グランプリ』で優勝しブレイク、多ジャンルで活躍する。著書に『ブラックマヨネーズ吉田敬のぶつぶつ』『人生は、パチンコで教わった。』がある

(取材・文/塚田有香)