いったいなぜ、彼はそこまでするのだろう。真面目なのか遊び心なのか、はたまた憑依(ひょうい)型の所以(ゆえん)か。

 佐藤流司は1995年1月17日生まれの山羊座だ。山羊座はストイックな完全主義者。自分に厳しく、やれる努力は最後の一滴までふり絞って結果を出そうとする。「頑張ったけど、これ以上はちょっと」は存在しない。できない言い訳とやらない理由は、山羊座の辞書にないからだ。佐藤流司が完璧にキャラクターを再現できる理由はここにある。

 少し専門的になるが、占星術では太陽を含め月・金星・火星など10個の天体を読む。佐藤流司の場合、核となる太陽以外に、革命の星・天王星、芸術の星・海王星を山羊座に併せ持つ。とても珍しい、強烈なコンジャンクション(連結によりパワーが増幅すること)の持ち主だ。これにより彼の山羊座的な性質は強化され、ゴールを具現化するパワーと気概が際立つこととなる。いわば山羊座の“極”である。

彼は伝説を作ろうとしている

 もう1つ重要なファクターがある。

 山羊座は長期展望で物事を計画実行するタイプ。目標という鋳型(いがた)に努力と経験を流し込むことで、じわじわと血肉を作り、魂を吹き込むのだ。ゆえに山羊座は老成の星座とも言われる。どんなに若くともシビアに将来を見据えているし、人生はやがて終着駅に辿り着くことを識(し)っている。

 佐藤流司はどこへ向かっているのか。彼はその答えを幾度となくインタビューで口にしている。

「俺はカリスマになりたいんです」

 終着駅を見据えるのが山羊座なら、佐藤流司にはすでにそのビジョンが見えているのかもしれない。10年後20年後、もしかしたら100年後の評価や実績から今を逆算しているのではとすら思わせる。

 カリスマとなるために今、何を成すべきかを常にイメージし、実行しているのだとしたら。それは単に「努力を重ねる」とか「経験を積む」といったことではない。それだけでは足りないことを彼は知っている。彼は伝説を作ろうとしているのだ。

 9月スタートのドラマ『REAL⇔FAKE』(TBS/MBS)で、佐藤流司はバンドボーカリストを演じる。彼が俳優活動と並行して行なっているバンドプロジェクト『The Brow Beat』のボーカルRyujiを彷彿とさせる役柄である。

 2.5次元スターが勢揃いするこの作品で、佐藤流司はどんな顔を見せてくれるのだろう。いや、ここで開拓する新境地が彼にはもう見えているのかもしれない。そのビジョンを具現化するために、猛烈な努力と鋼の意志で未来を創り上げるだろう。カリスマとはそうあるべきものだから。


阿雅佐●占星術研究家・心理ナビゲーター。西洋占星術、血液型占い、タロットカードなど、古今東西の占いに精通。『CanCam』『PASH!』『anan』『JUNON』ほか年間100本以上の雑誌記事・Webコンテンツを執筆する恋占いのエキスパート。今までに鑑定した人数はのべ1万人に及ぶ。『スッキリ』『アッコにおまかせ!』ほか、テレビ出演多数。『おそ松さん占い』(主婦と生活社)ほか、約40冊の著書があり、小説『魔女たちの占いゲーム』(イースト・プレス)、『モデル マジック』(学研教育出版)を上梓(じょうし)するなど、作家としても活動している。
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