■願書を書く際に気をつけたいこと

 願書添削も佳境に入り、お教室の先生からいただいた修正アドバイスのもと、何度も書き直しているころかと思います。願書は“学校へのラブレター”です。どれだけ好きか、恋い焦がれているか、ひと言ひと言丁寧に伝えてください。

 ここで注意が必要なのは、面接のある学校では、この願書をもとに面接が行われるということです。うわべだけのきれい事を並べても、すぐに見抜かれてしまいます。本当に思っている“事実”を記入しましょう。

 また、多くの学校は願書に両親のプロフィールを書く欄はありませんが、備考欄や志望動機にアピールすべきポイントがある場合はうまく取り込みたいですね。

 とはいえ、数年前に添削しましたあるIT企業の経営者の方が書いたアピールポイントは少々行きすぎたものでした。「私は◯◯会社を経営しております。小学生のころから授業でパソコンを取り入れたり、プログラミングを学ばせていただけるということに感銘を受け、志望させていただきました。弊社としても貴校をサポートすることも可能でございます」と書かれていたのです。

 たしかに学校の教育方針と家庭の教育方針の合致が学校側の合格基準のひとつです。しかし、上から目線の“貴校をサポートする”という文言はいかがなものかと思います。願書はラブレターであり、謙虚な気持ちで“私の想いを受け入れてください”と表現しなければなりません。

 ちなみに、添削の内容としましては、「これからの時代、幼少期から正しい方法でパソコンに触れているのと触れていないのでは、将来大きな差が出ると仕事柄、危機感を感じております。貴校の低学年から授業でiPadを取り入れたり、プログラミングを学ばせていただける環境は大変ありがたいです」としてみてはどうかと、アドバイスさせていただきました。

 学校説明会、学校案内、ホームページ、卒業生や在校生などから、あらゆる情報を得て研究し、学校が求める生徒像とご家庭像を読み取り、学校側から“ご縁を持ちたい”と思われるよう文字と言葉でしっかり表現するためにも、あと1か月半でしっかり仕上げてまいりましょう。

<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design