一定のニーズがある“嫌われキャラ”
クロちゃんは出川哲朗に続くか

 “嫌われキャラ”といえば、ひと昔前の出川哲朗が挙げられるが、聞けばクロちゃん、まったく違うタイプらしい。

「出川さんは、“一生懸命にやるけどうまくできない”というところが売りのタイプの芸人です。必死さが伝わるのが面白いのです。一方、クロちゃんは、持ち前のセンスによって大して努力せずに絶妙なリアクションができてしまうという天才肌の芸人

 超マイペースでポジティブなので、何か仕掛けられたらスタッフに身を任せていればいい、面白くなければそれはスタッフのせいだ、と本気で考えています。人間としては大きく欠落しているところもありますが、そこが芸人としては優れているところでもあります」

 天性の実力とマイペースさが合わさったことで、独自の立ち位置につけたということだろう。そして、世間には彼らのような“嫌われキャラ”を求める一定のニーズがあるらしい。

「バラエティー番組で他人の情けないところやカッコ悪いところを見ると、笑えるし勇気づけられるということはあるでしょう。好き勝手に生きているクロちゃんを見ていると、軽蔑するところもあるけれど、どこかうらやましいと思うところもあるはず。その両方の気持ちを味わわせてくれる存在だというところが貴重なのでしょう」

 石の上にも3年。出川哲朗が嫌われポジションから人気者の地位を築けたように、クロちゃんも卑怯でマイペースな天才肌を貫けば、いつかは……いや、難しいか。


<今回のセキララアナリスト>

ラリー遠田さん
ラリー遠田さん

ラリー遠田さん
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)など著書多数。

 

 

<文/雛菊あんじ>