マラソンが“ガチ”になって

 すでに発表されているのが、いとうあさこと、ガンバレルーヤのよしこ、続いて近藤春菜の名前。

 マラソン走者を選ぶ基準の中に、その年に活躍したか、もしくは日テレの番組に出演する頻度が多い、つまり局に対する貢献度が高いタレントが選ばれやすいことは明らかだ。ただ選ばれたからといっても、タレントがオファーを必ず受けてくれるとは限らない。

 走者選びが年々厳しくなってきている一因として、マラソンが“ガチ”になってきていることがあげられる。

 過去のマラソンでは、「本当に100kmを走り切っているのか」という疑問が提示され、「途中、車に乗った」とか「影武者が走っている区間がある」なんて疑惑が取りざたされたこともあった。

 '02年には西村知美が100kmマラソンに挑戦した際、いちばん肉体が疲労しているはずの残り20キロを1時間で走破してしまうという驚きの記録もあり、その疑惑は深まった。

今はネット時代になって、走っている状況が常に監視されています。決してズルはできなくなりました。タレントは歩くだけでも大変な100kmもの距離を本当に走らなければならないので、その負担は大きいです。ろくすっぽ運動もしていないタレントができることじゃないですよね」(芸能プロ関係者)

 走ると決まったら、その日に向けて少なくとも1か月以上は練習しなければならず、スケジュールの調整も必要となり、高額のギャラを提示されてもわりに合わないというのが現状だ。彼らもプロのランナーではないので、体力の回復にも時間がかかるので、翌日以降の仕事に大きな支障をきたしてしまう。

 以上のことから、走者選びは年々、厳しくなっているようなのだ。

 また今回の走者のうち、いとうあさこガンバレルーヤよしこは、『イッテQ!』のレギュラー出演者である。

年々、走者選びが難しくなり、難航するなかで制作サイドから白羽の矢が立ったのが彼女たちです。昨年、同番組の『祭り企画』でヤラセが発覚し、番組の印象が悪くなってしまったので、今回のマラソンの人選は“イメージ回復”の目的もあるんですよ。1人当たりの走行距離も100kmの半分以下と、負担も軽減されていますしね」(日本テレビ関係者)

 はたして、第4走者は誰になるのか。日焼けしてやせたタレントはいないかなど、巷では走者予想で盛り上がっている。なんだかんだいってみんな、番組の術中にはまっているのでは――?

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌などで取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。