今年8月、Hey! Say! JUMP・中島裕翔さんにストーカー行為を行なっていた、20代の会社員の女性が逮捕されたことは記憶に新しいと思います。ほかにも、関ジャニ∞・大倉忠義さんが暴走するファンに対してブログで苦言を呈するなど、タレントの身を脅かすストーカー行為は、日々、深刻な問題となっています。

 プライベートな領域にも土足で踏み込む彼女たちは、タレントやその家族の平穏まで壊してしまう“あおり運転者”のようなもの。今回、俳優・歌手として活躍するAさん(19)の母・貴美子さん(仮名)に、“ストーカー被害の実態”を伺いました。

まるで恋人のように接してくる

――どのようにして“被害”が始まったのでしょうか?

 最初は、偶然を装って息子に話しかけてきたようです。応援してくださる方なので親切に対応したところ、その“偶然”が続くようになって。これは“ヤラカシ”(※マナーを無視してタレントに接触しようとするファン)だと気づき、そっけなくしたところ、最寄り駅で待ち伏せされ、あとをつけられるようになりました。息子の俳優仲間も、仕事場からつけられ、自宅をつきとめられたりしています。

――つけられるほか、どんなことをされるのですか?

 ずっと話しかけながらついてきます。少しでも対応してしまうと、そこからまるで恋人のようにペラペラ話し続ける。バッグに無理矢理プレゼントを押し込まれる。“私以外にファンサ(ファンサービス)しないで”や、“ファンミーティングに出ないで”とすごまれたり、ほかのファンの方を威嚇することもあるようです。タクシーに乗ろうとしたとき、ドアを押さえつけて同乗されかけたこともありました。それでも無視していると“無視しないでよ!!”と激昂し、延々とスマホで動画を撮られ……。

「やめて」と言ってもやめてくれない。もし振り払って転ばせでもしたら、「俳優の〇〇がファンにケガをさせた」といった報道が出るかもしれません。そうなったら、仕事仲間や関係各所に迷惑がかかってしまうので、どんなに悔しくてもひたすら耐えて、無視するしかないのが現状です。

――ご家族として、息子さんを守るためにされていることは?

「話しかけられないように移動中は電話をする、迎えに行けるときは迎えに行くなどしています。それでも、通話相手や通話内容をSNSに書かれたり、通話中の姿を撮られたりします。俳優仲間の中には、学校の前で待ち伏せされたり、自宅マンションのエントランスに居座られた人も……。

 学校やご近所には繰り返しお詫びに伺い、なにかご迷惑になっていることはないかお尋ねしていますが、本当に申し訳なく、辛く思っております」

――ストーカーの人物像は?

「さまざまだと思いますが、息子につきまとっているのは未成年の女学生です。学校に行かずストーカー行為をしているようです」

ファンができること

 タレントさんのご身内の中には、このような思いをしている方が少なくありません。ストーカー行為はタレントさんもそのご家族も疲弊させ、ついには引退などの決断をせざるをえない状況になることもあります。

 では、私たちが“ストーカーから彼らを守るためにできること”はなんでしょう?