「あんまり早いとも感じなかったかな(笑)」

 デビューから10年。これまでを振り返り、はにかみながらそう答えたのは松坂桃李。現在30歳。来月には早くも31歳の誕生日を迎える。

「20代前半はあっという間だったんです。というのも、本当にがむしゃらで。事務所もこの松坂という男を売り出さなきゃいけないし、僕自身もこの仕事を続けていくためにはそうである必要があった。オーディションを受けたり、映画に出たり、やることすべてが初めてのことだらけでしたね」

 目の前のことにいっぱいいっぱいだった時期を経て、残りの5年は、その先のことを見すえて過ごしてきた。

30歳を過ぎてもこの仕事を続けていくためには、どういう仕事を選んでいったらいいかというのを、マネージャーさんと話して。がむしゃらとはちょっと違う頑張り方をして、みなさんが抱いてくださってるイメージとは相反することにあえて挑戦しようと。なかなかハードな作品だったりもしましたが(笑)。そういうのも加味したうえで、20代後半は長くて、とても濃厚だったように思います

 今後、どんな『松坂桃李』を見せてくれるのだろう。

年齢が上がるにつれて、演じる役も変わってきて。結婚している役、不倫相手の役なんかもやりました。どんな役でもちゃんとやれるように、視野を広げていきたいですね。例えば、僕は父親ではないけど、お父さんの役をやっても違和感がないように、説得力も欲しいし、役へのなじみ方も学ばなきゃいけない。そういった積み重ねが40代、50代へとつながっていくんだと思います