エスム:セクシュアリティーを告白する「カミングアウト」は、あなたを信頼しているからこそできること。だから誰かに勝手に話す「アウティング」はしないでほしい。大変かもしれないけど、自分の心の中に秘めておいてあげて!

ドリアン:手の甲側を頬に当てて「こっちなの?」とやる仕草は、時代錯誤のアナログ人間だってことを表しているようなもの。おじさんたちがやること多いけど、こんなことする人は見下げてOK。あんたたち、ダサいよ!

ホイみ:異性装をする理由は、人それぞれ。身体の違和感から「違う性になりたい」「違う性の装いをしたい」という人もいれば、息抜き的に異性の格好を楽しむ人もいるし、クラブイベントなどを盛り上げるために、ドラァグクイーンとしてゴージャスに装う人もいます。必ずしも「異性になりたい」という人ばかりではなく、セクシュアリティーとも関係ありません。

ドリアン:ゲイは「男の気持ちも、女の気持ちもわかる」と言われるけど、実はどちらもわからなくて、ゲイの気持ちしかわからない。なんならゲイの気持ちもわからないし、そもそも自分の気持ちもわからない!(笑) でも普通の人生を歩んでいる方よりはしょっぱい思いをしてきたので、イマジネーションや思いやり、配慮の術はもしかしたら多いのかもしれないわね。

(取材・文/成田全)

(※)「LGBTQ」「LGBTs」と表現される場合もある。


《PROFILE》
八方不美人
2018年『八方不美人』でデビュー、'19年『二枚目』をリリース。作詞家の及川眠子(『淋しい熱帯魚』『残酷な天使のテーゼ』など)と作曲家の中崎英也(『早春物語』『あなたのキスを数えましょう~You were mine~』など)が全面プロデュースする、ドラァグクイーンによる新宿二丁目発本格派ディーヴァ・ユニット。現在、公式ファンクラブ「別嬪倶楽部」会員募集中! https://happofubijin.com

エスムラルダ(集合写真中央)
'90年代から活動を始め、ホラー演出された情念系お笑いショーを得意としている。ライター、脚本家、歌手、舞台俳優、講演活動、テレビタレントなどマルチに活躍。東京都ヘブン・アーティストでもある。

ドリアン・ロロブリジーダ(同右)
2006年、初出場したドラァグクイーンコンテンストでいきなり優勝。180センチの長身にド派手なメイクと巨大なウイッグ、奇抜な衣装で観客の度肝を抜いている。男性シンガー「マサキ」としても活動中。

ちあきホイみ(同左)
敬愛する歌手ちあきなおみとホイットニー・ヒューストンから名前を拝借。2016年から女装を始め、幅広いジャンルの曲を歌いこなす。美しいファルセットで聴く人を魅了する。普段はスーツ姿の会社員。