ノンケでなくとも胃袋を掴まれた

 マキさんがジョンさんを選んだ理由のひとつは、

「胃袋でつられたから(笑)」

 スナックで出す、お通しのひじきが美味しかったという。マキさんは当時のこんな会話を覚えているという。

「私が“ジョンママ、デパ地下の惣菜屋さんで買ったの? 手作り?”と聞いたらジョンが“うちのは手作りよ”って。よく世間で言いますよね、『年上女房は金の草鞋を履いてでも探せ』って。ノンケではないですが、胃袋でつられました。本当に料理が上手なので。今でも、テレビを見ていて、『あれが食べたい』と言うとすぐに作ってくれます」(マキさん、以下同)

「昔のジョンは郷ひろみに似ていて男前だった」とマキさん。男前で料理も上手なジョンさんはさぞモテたことだろう
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 また、2人の食の好みもほぼ同じだったという。

「お互い、真っ赤な福神漬と真っ黄色のたくあんが好きじゃない。ごはんの上にのってると、色うつりしてるじゃないですか。その部分をごはんごと小皿に移すぐらいです」

 さらには安堵感だ。

「小学生のころ、朝は快晴だったのに放課後に土砂降りの雨が降っていた。みんな、家族が傘を持ってきて帰る。自分も待っていると、やっとおばあちゃんが迎えに来てくれた。安堵感がありますね。それと、ジョンママがお店に来ないなと思って、ふと寂しく感じたときに、雨の日にひとりで来てくれたときの安堵感が同じだったんです」

 ただ、結婚には3つの条件をつけた。セックスはしない。同性の恋人を持つのは自由、そして、隠しごとはなし。同性愛の「友情婚」のため、1つ目と2つ目は理解できる。3つ目はどういう意味なのか。

「ウソをつくと、上塗りをしなければならず、話のつじつまが合わなくなります。悪趣味と言われるかもしれませんが、晩酌のつまみにデートのことを聞いたり、報告し合ったりします」

 マキさんがこう言うと、ジョンさんは「そんなことばっかり言って。相手に失礼じゃない?」と突っ込む。日ごろから、お互いに言いたいことを言い合う。