『ベンジャー』と呼ばれて

 そもそも、野球選手や実業家、医者と付き合いそうなイメージのカトパンがなぜEXILE系を選んだのだろうか──。

 今の風貌からはまったく想像ができないが、彼女は'08年のフジテレビ入社1年目に『週刊現代』(10月18日号)に“ガングロコギャル時代”のプリクラを掲載されている。そのタイトルがなかなかイカつい。

《スーパー綾子 ガングロ金髪でホストとツーショット》

 さらっと学生時代のホストとの2S写真が流出しているじゃないか。プリクラ画像のキャプションにはご丁寧に、《モノクロではわかりづらいが、現物をみるとかなりのガングロだ》の注意書きも。しかしながら、それはまぎれもなく今のビジュアルとは180度方向性の異なる“コゲパン”時代があったことの証明だ。

 また同年の『週刊朝日』(10月31日号)がカトパンの経歴について扱った記事のなかで、同じ埼玉県内の公立中学に通った後輩が衝撃のコメントを寄せている。

加藤さんは、『ベンジャー』と呼ばれる10人ほどの女子不良グループの一員だったんです。ベンジャーとは『便所に集まってだべってる者』の意で、『不良で美人』でなければ与えられない称号でした。加藤さんはその中でも目立っていて憧れの的だった

 そう。カトパンは『ベンジャー』だったのである。

 しかも当時、同校はすごく荒れていて、窓ガラスが何者かに50枚近く割られる事件が起こったり、ケンカ・喫煙も当たり前だったとか。

 続けてその後輩は《そんな中でもベンジャーはトップクラスの不良グループ。ベンジャーのいるトイレは怖くて使えなかった》とも回想している。

 あくまで後輩の印象だが、なぜトイレに? もっと快適な溜まり場があったのではないか。そんな疑問が消し飛ぶほど、単純に怖えぇ。

 そう考えてみると、芸能界では体育会系に位置づけられ、ヤンキー層からの支持もアツいEXILEと結ばれるのはある種の必然だったのかもしれない。

 元トップクラスの不良なら『メンバーとスタッフで集まり、一晩でレモンサワーを2500杯飲んだ』というEXILEの伝説的エピソードにも男気を感じるのかも……。

 カトパンをアナウンサーではなく、元ベンジャーのメンバー・AYAKOと置き換えてみると、非常に納得のいくカップルにみえてきてならない。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉