善人だと笑えない、は昔の話

 いわゆるネタ番組が減少した近年だが、サンドウィッチマンは、トークやロケでもその実力を発揮することができたと、前出の放送作家は言う。

「トークでも、ベースにはネタの空気があるというのが強いところですね。一方で、ネタもちゃんと続けて披露してくれている。また、ロケで一般の人とふれ合うときに『いい人』感を印象づけられたのも大きいですね。『バイキング』の地引網ロケや、『帰れマンデー見っけ隊!!』などは、現在の人気の安定ぶりに貢献したといえます」

 いい人サンドウィッチマン。かつては、芸人のイメージといえば破天荒。善人だと、どこか笑えないといったイメージがつきまとう時代もあった。

「そこは、時代が変わったといえますね。昔だったら、品行方正じゃないほうがいい、相方と仲が悪いほうがおもしろいという風潮がありましたし、『芸事だから』という理由で女性関係なんかも許されたこともありました。お笑いの世界に限った話ではないのですが、時代が変わり、ベースに『いい人』じゃないと受け入れられにくいのかもしれませんね」(同・放送作家)

 そこには、ネットやSNSの普及も大きく影響しているという。

「みんなが『監視』している時代になりました。自分だけでなく、他人もまじめに生きていないといけない時代。悪い面が見えると、一気に評価が下がってしまうようになりました」(同)

 いい人イメージを失う大きな出来事でもないかぎり、サンドウィッチマン人気はまだまだ安泰のようだ。

<取材・文/渋谷恭太郎>