――模擬試験などは順調でしたか?

「ひと通り説明会が終わった7月頃になると、5月辺りから受け出していた模擬試験の結果が届きました。驚いたことに、総合的な模擬試験だと平均値を取れているのですが、女子校の模擬試験は下から数えて一桁に入っているんです。

 ペーパーの点数は悪くはないのに何でだろうと先生に質問したところ、どうやら行動観察でマイナスになっていると。というのも、女子校志望の子たちは精神年齢も高く、ちょっとズル賢いところがあるようで。たとえば、みんなで決めごとをするときも、“○○はどう?”“賛成の人は手をあげて!”など、積極的にその場を仕切る子が多いそうです。

 また、自分が反対だった場合も“みんながそれが良いならそうしよう!”と満面の笑みで同調することもあるそうで。先生がおっしゃるには、娘は輪に入るタイミングを失ってしまい、ただ参加しているだけの状況になっていたとのことでした。

 かといって自己主張をすれば良いのかといえば、そういうことでもないらしく。話を聞けば聞くほど、“行動観察”という考査内容の難しさを痛感しました」

――それをどのように克服されましたか?

『日本総合教育舎』のデイキャンプに参加したときのことですが、ちょっとしたハプニングがあったそうなんです。お弁当を食べていたとき、持ってきたお弁当を全部ひっくり返してしまった子がいたらしいのですが、娘は自分のお弁当の蓋におかずを少し入れ、さらにみんなから寄付を集めて、そのお友達にあげようとしたんだそうです。

 アレルギーなどがあってはいけないので、同隊していたスタッフが予備のお弁当を渡したらしいのですが、その様子を見ていたスタッフの方が、“一年近く様子を拝見していますが、周りを良く見れるようになってきましたね”と声をかけてくださいました。

 こうしたデイキャンプでの経験を積み重ねることで、集団行動に慣れ、協調性も身につき、周りを良く見ることができるようになっていったのかなと思います」

――お受験本番の様子をお聞かせください。

「『伸芽会』からは、“挑戦しなければはじまりませんよ”と教えられていたので、片っ端から受験できるところは受ける覚悟で願書を集めていました。しかし先生には、合格圏にありそうな女子校を二校と、第一志望の女子校一校のみ出願し、そのほかは大本命の早実や成蹊の試験日程にかぶらない学校のみ受けていきましょうとアドバイスをいただきました。

 実際に受けたのは、白百合、日本女子大豊明(白百合の試験終了後、距離的に成蹊の時間が間に合わず棄権し豊明へ)、学習院、東京女学館、そして早実でした」

――結果はいかがでしたか?

「結果は、白百合と学習院は不合格。白百合ではなく、成蹊を受けに行けば良かったと後悔しました。そして大本命の早実は、一次試験を通過し面接に進むことはできましたが、残念ながら合格をいただくことはできませんでした。

 日本女子大豊明と東京女学館は合格をいただいておりましたので、“もともと女子校志望だったじゃないか! その女子校には行けるんだ!”と、家族でお祝いをし、両親にも報告してほっとしていたんですね。

 しかし、11月末に早実からご連絡をいただき、なんと追加合格になったんです!! 補欠合格というものがあることは噂では聞いていましたが、早実は補欠のない学校だと思っていたので、本当にこんなことが起こるなんて……と、ビックリしました」