【解説】投資信託ってナニ?

 先に説明したiDeCoとつみたてNISA。iDeCoでは定期預金や保険も選ぶことができるものの、ともにラインナップのほとんどは投資信託。そして、山口さんも山崎さんも投資信託推し。

 でも、そもそも投資信託って何ですか? 山崎さんが解説してくれた。

投資信託とは、投資のプロにお金を預け、自分の代わりに運用してもらう商品です」

 いわば、プロが作った“金融商品の詰め合わせ”のようなものだという。

「“日本株”“外国株”“国内債券”“海外債券”など、いろんな詰め合わせがあるとイメージしてください。例えば日本株の詰め合わせを開けてみると、トヨタやドコモ、三菱UFJ銀行……など、いろんな会社の株式が入っている。そんな感じです」

 ほかにもこの4テーマのうち、ひとつだけを扱ったものもあれば、全部を混ぜたバランス型もある。さらには、不動産に投資するものも。

 それぞれの詰め合わせには運用テーマがあり、“安全志向なので、国内債券を中心にします”“攻めの姿勢で行くので海外株式が中心です”など、さまざまだ。メリットは、細かい投資先を選ぶ手間が省けるだけではない。

「例えば、トヨタの株を買った場合、トヨタの株が下がると、当然ながら思いっきり影響を受けます。でも投資信託は“詰め合わせ”。袋の中には、トヨタ以外にも他社の株も入っているわけです。どれかが下がったところで、全体で見たら影響は少ない。投資信託は、そんな分散投資が可能なのです」

 すべての卵をひとつのカゴに入れるのではなく、複数のカゴに分けて入れているイメージだ。

「万一のときに、大損害を受けるリスクを軽減できるというわけです。すなわち、大きく増やす可能性は減る分、大きく減らすリスクも減らせる。大きなリスクを取りたくない人にぴったりだと思います

(※商品内容や数字は、10月26日現在のものです)


《識者PROFILE》
北村庄吾さん ◎社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー。年金や医療保険など、社会保険制度問題の評論家としても活躍し、“年金博士”として知られている。近著に『人生を左右するお金のカベ』(日本経済新聞出版社)

山口京子さん ◎ファイナンシャルプランナー。家計簿から保険、お金を増やす運用まで、女性にやさしいアドバイスに定評が。『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ系)、『Live News it!』(フジテレビ系)などメディア出演多数

山崎元さん ◎経済評論家。専門は資産運用。楽天証券経済研究所研究員。東京大学卒業後、外資系を含む金融12社を渡り歩き、現職。著書『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文藝社)はベストセラーに