美容師に「似合う髪型」を期待するのは間違い

 一般的に日本の美容師は、目尻と目尻の間の範囲を「前髪」としてカットするが、実はこれは欧米人の頭の形に合う前髪の範囲。日本人の頭は横幅が広いため、これをそのままでカットしてもサイズが合わないという。MAYUMIさん考案のカット理論では、

「前から見える顔まわりの毛すべてを前髪と考えてデザインします」

 と、断言。

「自分の顔のサイズに対して前髪の範囲が狭すぎて合わないまま、髪を耳にかけたりひとつに束ねたりすると、前髪と耳の前部分にぽっかり隙間があく。そうならないよう、日本人の顔のサイズに合わせて前髪の範囲を少しだけ広げてカットしているのです」

 これにより顔の形やたるみをよりカバーしやすく、小顔に見える髪型づくりがしやすくなるという。

 美容師はカットのプロだから「私に似合う髪型がきっとわかるはず」と多くの人は考えがちだ。しかし、「それは大きな間違い」と、MAYUMIさん。

「現場で働く美容師の平均年齢は27歳~28歳と言われています。自分より年下の美容師に担当してもらうことも多くなってきたのでは? 美容師はみんな、若い女性のヘアが得意。どのヘアカタログを見てもピチピチの肌に合わせた、ボリュームとツヤのある髪で作るスタイルばかりです」

 特に男性美容師は性別の違いもあり、大人の女性の好みを心から理解するのは難しいという。

「私は“老い”に合わせた髪や美をプロデュースすることに特化していますが、そういう美容師は多くはない。老化が気になる女性に寄り添い、似合う髪型を意識してカットができる美容師が少ないからこそ、自分自身の似合う髪型を知っておくことが大切です。ポイントは3つ。髪の長さと前髪で自分の髪型のジャストサイズを見つけること。パーマなど曲線を意識した髪型にすること、そして自分に似合うカラーを知ること。以下のリストもぜひ参考にしてください


【身長】160cm未満の人は、ロングだと顔が大きく見えてバランスがとりにくいのでセミロングまでに。
【肩】《なで肩》首が長く見えるのでほとんどの髪型(ショート、ボブ、ミディアム、ロング)が似合う。《いかり肩》首が短く見えるので、鎖骨より下のセミロングやロングがおすすめ。
顔】(※
どの顔型も、顔の形と髪の毛をセットで考え卵型のシルエットになるヘアスタイルをめざす)
《丸顔》ショートスタイルが似合う。縦長のシルエットのロング、セミロングも似合うが、ボブにするなら縦長シルエットに。《面長》ボブやミディアム(肩までカットするか、セットして肩までになる)か、サイドにボリューム感が出るスタイルでバランスよく。《四角顔》前髪があごの長さであればショートも◎。前髪が長く、縦長のシルエットが強調されるボブ、ミディアム、ロングが特に似合う。
目と目の間隔】目と目の間が離れていると童顔に見えるので、大人っぽくしたいなら前髪を流すなどしてニュアンスをプラスしてみて。
【体形】
太めタイプの人には、レイヤーを入れて縦長のシルエットを作るのがおすすめ。長さは長めがグラマラスで女性的に。ボブスタイルはおすすめしない。 【ファッション】《コンサバ系》フェミニン、エレガントな印象を演出するため、髪が柔らかくカールしていたり、前髪を下ろすか流すなどして、どこかに優しさを感じるスタイルに。《モード系》おしゃれに敏感なモード系には、個性的な髪型、シャープなボブやアシンメトリーな髪型、ハイカラーなど幅広いデザインのバリエーションを楽しんでほしい。 (参考・『MAYUMI流 似合う髪型を見つけるための目安』より)