目次
Page 1
ー 女性ホルモン減少で血圧が上がりやすく
Page 2
ー 運動強度が高いジャンプが効く!
Page 3
ー 「8秒間跳ぶ」だけ運動療法

「高血圧は放置すると、心臓の血管が詰まる心筋梗塞や、脳の血管が詰まったり破れたりする脳卒中など、いわゆる突然死が起こるリスクを確実に高めます。ですが、自覚症状がほとんどないため、健康診断で血圧が高いと指摘されても『自分は大丈夫』と放置してしまう人がとても多い病気なのです」

 と警鐘を鳴らすのは、愛媛大学医学部附属病院に勤める、高血圧専門医の伊賀瀬道也先生。

女性ホルモン減少で血圧が上がりやすく

血圧が高いと心臓に負荷がかかる
血圧が高いと心臓に負荷がかかる

 そもそも血圧とは、心臓から送り出された血液が全身を巡る際に、血管の内側にかかる圧力のこと。

「血圧は常に変動していて、食事や入浴、排泄などの動作をするだけでも上がります。そのほか、年齢や健康状態によっても左右されますが、問題なのは血圧の高い状態が慢性的に続くと、血管にダメージを与えてしまうことです。

 血液が通る血管の内側には、血管壁という壁があるのですが、圧をかけすぎるとその壁が傷つきます。傷ついた血管は弾力性を失って硬くなり、いわゆる動脈硬化が起こります。すると、前述したとおり、血管が詰まりやすくなって、命に関わる病気を引き起こすのです」(伊賀瀬先生、以下同)

 最新の基準値としては、簡単にいうと最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上は高血圧となる。

 血圧が上がる原因は、塩分のとりすぎや肥満、過度の飲酒や遺伝的な要因などさまざまだが、更年期による女性ホルモンの減少もそのひとつ。

「実は女性ホルモンのエストロゲンには、血管を拡張させて血圧の上昇を防ぐなど、血管にとってよい作用がたくさん。ですが、更年期から閉経にかけて女性ホルモンの分泌が減ることで、保護作用が失われてしまうのです。つまり、女性は中高年以降、それまで指摘されたことがなくとも高血圧になる可能性が高くなっているので、より注意が必要なのです」