東京オリンピックを前に、ホテルの建築ラッシュが続いています。日本を代表する東京・銀座でも、ホテルが乱立。オリンピックが終わったら銀座がゴーストタウンになるのでは!? と不安になるほど。

 でも、オリンピックに集結するであろう地球のはしばしからの観光客の宿泊には、まだ足りないそうで。

 というわけで、ホテルからあふれたオリンピックファンのための受け皿、民泊が注目を集めているのはご存じのとおり。

貴族になったような空間も

 そもそも民泊とは、住宅の全部、あるいは一部を宿泊客に貸し出すことで、宿泊料をいただくというサービス。2018年から施工された「民泊新法」に基づいていて、キッチン、浴室、サニタリー、消防設備がマストなどの条件があります。

 響きは民宿と似ていますが、民宿のほうは「旅館業法」に基づいて厳しい条件が敷かれています。民泊は個人の住宅での宿泊サービスなので、大きく違います。

 さて、この民泊。日本では個人が自宅の空き部屋を貸し出すようなものから、企業が建設した宿泊施設にいたるまでカタチはさまざま。そこに家主が一緒に生活し、トイレやお風呂、キッチンなどを“共有”しているパターンはほとんどありません。

 そこで今回、注目したいのがフランスのシャンブル・ドット(Chambre d’hote)と呼ばれている民泊。シャンブルは寝室、ドットはオーナーを意味する言葉です。響きが一気におしゃれな印象になりますね。さすがフランス語。

 このシャンブル・ドットは基本的に朝食がつき、オーナーが住む自宅の一部を宿泊者に貸し出して宿泊料をとるというシステム。イギリスではB&B(ベッド&ブレックファースト)と呼ばれるなど、ヨーロッパでは長く活用されてきました。

シャンブル・ドットと呼ばれる、フランスの「民泊」

 もちろん日本の民泊と同じように、シャンブル・ドットも“ピンキリ”です。ホテル顔負けの豪華なものから、「日本の住宅事情より厳しいのでは!?」とガッカリするものまで、千差万別。

 ただ、日本人がフランスに抱くおしゃれなイメージに応えてくれる完成度のシャンブル・ドットも多いのです。インテリア&ライフスタイル誌の『私のカントリー』(主婦と生活社)では、たびたびシャンブル・ドットの特集を組み、インテリア自慢やオーナーの美味しそうな手料理を紹介するたびに、多くの反響があります。

 なかでも特に人気があるのは、フランス南部の田舎の村にあるシャンブル・ドット。ちょっと広めの古い家をリフォームして、ゲストルームを設けた住まいが、貴族になったような気分になり、まさに夢のよう! オーナーは必ずしもお金持ちとは限らず、住まいのリフォームも自力の場合がほとんど。中流の経済力でも、とても素敵な家に住んでいるのです。