シャンブル・ドットと呼ばれる、フランスの「民泊」
シャンブル・ドットと呼ばれる、フランスの「民泊」
【写真】宿泊者用の豪華なベッド、共有部分の水まわりもおしゃれ

 写真は、パリから電車で1時間ほどの村にあるソフィーさんのシャンブル・ドットです。東京から埼玉県や千葉県といった距離感になります。緑が適度にあふれた環境は、日本でいう、軽井沢や箱根といったところでしょうか。

 そんな村で空き家を買い取り、暮らしながらセルフリフォーム。数年かけてこのシャンブル・ドットをつくり上げました。現在、1階が家族のスペース。2階にゲストルームが2部屋(朝食付きで1室120ユーロ~)あります。ソフィーさんが芸術に理解があることもあり、とても上質な空間です。

 インテリアのアイデアは素晴らしく、部屋を広く見せるためにイスの背もたれをカットした豪快なアイデアや、IKEA製品とアンティークを違和感なく溶け込ませるセンスは必見です。

 シャンブル・ドットに宿泊すると、トイレにお風呂、食事はオーナー家族とともにし、必然的に親しくなるのでホームステイをイメージしてもいいかもしれません。お友達の家に招かれたような気分を楽しめます。英語ができなくても、安心を。フランスの人も意外と英語が苦手。身振り手振りでコミュニケーションをとるのも醍醐味(だいごみ)のひとつです。

シャンブル・ドットに泊まるなら……

 お値段もさることながら、目的が大切です。

 例えば、農家体験。ファーマーズハウス(農家)がシャンブル・ドットになっている場合は、何よりも食事が楽しみ。とれたての新鮮な野菜が食卓に並ぶことでしょう。また、収穫を手伝う楽しみもあります。

 その土地の郷土料理を目当てにするなら、オーナーが腕をふるってくれます。ただし食事の際は、ある程度の会話力が必要。「おいしい」「おかわりをください」といったフランス語だけは覚えておいたほうがいいかもしれませんね。

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 田舎だけでなく、パリ市内にもシャンブル・ドットはあります。大豪邸だったり、アパルトマン(マンション)の1室だったり。パリ市内は立地がいいので、どうしても割高にはなりますが、観光やお買い物に便利なのは間違いありません。

 このように、シャンブル・ドットはただの民泊ではありません。

 その土地や家人に密着して、あなただけの体験を楽しめます。ただ泊まるだけでなく、その家で宿泊すること自体が、目的になるのです。もちろん、オーナーが気難しく、期待はずれのこともあるかもしれません。でも、そんな体験も含めて楽しみたいならシャンブル・ドットはおすすめです。

 大人になってからのホームステイは、きっと素敵な思い出になるはずーー。

EARLY GREZ MAISON D’HOTES
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77880 Grez Sur Loing,
Seine-et-Marne en Ile-de-France