エキストラ全員への気配り

試合を観戦するお客さんたちは、ファンの方にエキストラとして来てもらっていました。夜まで行われる撮影なので、終盤になると、みんな集中力が切れてくるんですが、木村さんが観客席に向かって“もう少しで終わるから頑張ろうね!”と声をかけていたことも。そうすると一気に現場がまとまって、みんなテキパキ動くので本当に助かりました」(制作会社関係者)

 また、木村の役者としての“プライド”が垣間見えたエピソードも。

「普通、競技シーンの撮影は顔が映らない場合、代役を立てるんです。しかし木村さんはなるべく自分で演じたいと言っていましたね。第1話のスケート場で、木村さんが竹内結子さんをお姫様抱っこして滑るシーンがありますが、そこだけは“さすがにケガをすると危険なので、プロに任せてください”とスタッフが必死に説得して、プロのフィギュアスケーターの方が代役で滑ることになりました」(同・制作会社関係者)

 撮影が始まる前からホッケーについて勉強し、現場ではスタッフとも積極的にコミュニケーションをとった。

「“最近、アイスホッケー業界はどうなんですか?”と聞いてくれたことがあって、“このドラマのおかげで、前よりやってみたいと興味を持ってくれる子どもたちが増えていますよ”と伝えると、“ここだけの話、視聴率とかよりもそういう話のほうがうれしいんだよなぁ”ってコソっと話してくれたことがとても印象的ですね」(信田さん)

 トップアイドルにもかかわらず、アイスホッケーに真摯に向き合った木村。現場で共演した未来のプロホッケー選手たちとは、ある“約束”をしていたという。

「木村さんは帰るときに必ず“お疲れさまでした!”と全員にグータッチをして帰っていきました。プロを目指す大学生のアイスホッケー選手もドラマのエキストラとして参加していたんですが、その子たちには“プロになったら絶対、試合見に行くからな!”と声をかけていましたよ。彼らも木村さんの言葉に感激していて、ホッケーを頑張る原動力になったと思いますね」(信田さん)

 役顔負けの男気──みんな“メイビー”じゃなくて、絶対好きになっちゃう!!