声で演じる朗読劇ならではの苦労

 高野さんは、大人になった“てれび戦士”たちの敵で、世界から「楽しいこと」を奪ったテレビゾン党の党首を演じる。舞台衣装とメイクもハマっている。

高野洸 撮影/山田智絵
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悪役は、ほぼ初めてです。自分がかき乱さないと舞台が成立しないと思いますし、出てきた瞬間にピリついたり、空気が変わるようにならないといけないっていうのがプレッシャーですけど、悪役を研究していろいろ遊んでみたいと思っています。

 見にきてくださる人たちが“てれび戦士”をより応援したくなるように、しっかり悪役を演じたいですね(笑)。子どものころの番組を見ていた方には、懐かしい気持ちで楽しんでいただきたいと思います」

 今年2月に初挑戦した朗読劇『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』が好評で、12月に早くも再演が決まった。朗読劇は難しいが、勉強になることも多く楽しいと語る。

抑揚だったり声の出し方だったり8割は声での芝居で、動きで情報をつけ足すことができないので、やっぱり難しかったですね。初演の後に反省をたくさんしました。今回また挑戦できるので、稽古で濃密にいろいろ考えながらやりたいと思っています」

 再演されるのは、ある小さな村で生まれた少年たちが、「20歳になるまでの間、人生で1度だけ魔法を使うことができる」と伝えれられて、何に魔法を使うか考え悩みながら生きる姿を描く泣ける物語。

「僕が演じるアキトと仲間たちが、家族のためだったり自分のために、こんなことに魔法を使っていいのかとか、みんなそれぞれ葛藤があっていろいろ考えるんですけど、演じている自分たちも台本から気づかされることはたくさんあります。日常の幸せを改めて考えさせられたりしますね」