■受験シーズンが終わり…保護者は休むヒマなし?

 受験シーズンが終わると、幼稚園では卒園準備がはじまります。クリスマス会、学芸会、バザーや謝恩会……と、さまざまな行事に振り回され、受験を終えてひと息つく間もなく保護者は卒園式まで走り抜けることになります。

 昨年の事例ではございますが、スポーツ教育で定評のある、とある幼稚園では、子どものお遊戯発表だけでなく、保護者の方々も総出でお遊戯をされたそうです。子ども達の衣装とまったく同じ大人用の衣装を作り、子どもの練習風景を撮影した動画を参考にしながら、それぞれ自分の子どものお遊戯を完全コピー。謝恩会でサプライズ発表したそうです。

 またその幼稚園では、卒園式の後、子ども達を祖父母や友人宅に泊まりで預け、保護者は先生方を囲んで懇親会を催すそうです。そこでは、先生方も嵐などを熱唱して一緒に大騒ぎ。パイ投げまでしたり、毎年異なるテーマのもと保護者が出し物をするそうです。

 昨年のテーマは大ヒットした「クイーン」だったとのことで、お父様方がタンクトップにつけ髭で変装して登場。総勢30人のフレディによる大合唱のパフォーマンスをされたそうです。その後、3次会、4次会と続き、結局朝の4時に朝焼けのなか帰宅されたとのこと。

 保護者にとっても思い入れの強い濃厚な3年間だったそうで、何時になっても別れるのが辛かったとおっしゃっていました。

 しかし、進学先がまだ消化しきれていない保護者にとっては、こういった行事ですらも苦悶に感じることでしょう。制服や学校グッズの話をするなど浮かれている保護者の方々と、仲良く“卒園準備”なんてしていられないですよね? また、なかには中学受験だけは負けられないと、すでに戦闘態勢に入ってしまうお母様方も多いことかと思います。

 しかし、いまはじっと我慢。無事にお子様を卒園させ、小学校入学後、少なくとも1学期のあいだくらいは少しのんびりしてみてください。お子様とじっくりと向き合い、甘えさせてあげてください。きっとその時間は、今後お子様にとって人格形成の大事な基盤になるはずです。“親の期待に応えられなかった自分”という呪縛にいつまでも囚われ続けると、この先お子様が迷走することにもつながってしまうかもしれません。

 受験後の冬休み、卒園までの過ごし方は大切です。受験結果はすべて忘れ、家族で新しい目標に向かって過ごしてくださいね。

<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design