同時に、この結果によって動くのが私立小学校の“補欠”です。

 まず、11月15日の幼稚舎の合格発表の後、その入学手続きが完了する11月20日頃から、暁星小学校、立教小学校、学習院初等科、白百合学園小学校、雙葉小学校などで補欠だった方に繰り上げ合格の連絡が入りはじめていることかと思います。

 さらに12月19日の筑波大学附属小学校の発表を最後とする国立の合否が出た後、若干数ではございますが慶應幼稚舎、早稲田実業初等部、慶應横浜初等部の補欠の方にも繰り上げ合格の連絡が入ります。補欠連絡をする期限を設けている学校もありますが、最終的には3月までは補欠が繰り上げ合格となる可能性が残されています。

 というのも、国立の筑波と私立の慶應幼稚舎の両方に合格されたご家庭が、どちらに進学するか3月まで悩み、なかなか合格を手放さないケースがあるからです。

 12年間の学費を考えたら悩むのも当然です。

 実際、慶應幼稚舎をお断りし、筑波に進学を決めた知り合いの方も、最後まで悩まれておりました。しかし、家族会議の結果、高い学費や保護者同士の“見栄合戦”に惑わされたくないという点、慶應大学しか行けない幼稚舎よりも、慶應も東大も視野に入れることができる筑波に行かせたいというご主人の意見を採用し、最終的に筑波に決められたそうです。

 つまり最後の最後まで、何が起こるかわからないのが小学校受験となります。お受験界では“受験は水物”とも呼ばれておりますが、あまり気負いせずに、ひとつの通過点ととらえて挑んでいただきたいです。

 また、3月なかば以降になると、無理に補欠を動かさずに欠員のまま、新小学校2年生、3年生などで編入試験をして欠員補充をする学校もございます。1人欠員となると、年間約100万円(学校により80万~180万円)の赤字となります。

 学校法人の経営にとってこの100万円は大きいですよね。それゆえ、編入試験を実施する学校も多くございますので、こちらもチェックしておきたいところです。