しかし、彼は作詞作曲のできるミュージシャンだ。この手の人たちには、音楽で言い訳することも多い。

 例えば、桜井和寿は吉野美佳と不倫した際、週刊女性の直撃に「僕はいい人なんかじゃない」「僕が帰る家は、彼女(吉野)と一緒の家です」などと答えつつ、マスコミ向けFAXでは、

《Mr.Childrenの音楽を好きでいてくれる人達には、音楽を通して答えていきたいと思います》

 と表明した。実際、この時期のミスチルにはそういう感じの作品が目立つ。なかでも吉野との再婚直後に発表された『安らげる場所』は自分が別れを繰り返してきたのは君と出会うためだった、という趣旨の都合のいい言い訳ソングである

 それ以上にすごいのが、布袋寅泰。高岡早紀とのダブル不倫の際にコメントした「いやぁ…火遊びが過ぎました」も有名だが、その8年前には不倫関係にあった今井美樹に『PRIDE』を歌わせ、その後の略奪愛成就のイメージをかなり浄化してみせた。

 小室にしても、全盛期には華原朋美に自分への愛を歌わせたりしていたものだ。この会見は“男性として”だけでなく“音楽家として”の能力も枯渇したことを告白したという、せつなすぎるものだった──。

言い訳だけじゃない──会見でにじみ出る人間模様

 不倫会見がスターを生むこともある。先日、川崎麻世との離婚が成立したカイヤがそうだ。

 '93年、川崎が斉藤由貴と不倫。斉藤は前年、尾崎豊と不倫したばかりで「本当に学ばない人間なんだな」と会見で自嘲した。一方、川崎は会見で「僕と彼女は恋人ではない」と釈明したが、彼以上に注目されたのがカイヤだ。

 夫の不倫会見に同席するだけでも異例なのに、数メートル横で腕を組み、仁王立ちでガン見する姿が話題に。ここから鬼嫁・恐妻家という構図ができ、ふたりはお騒がせ夫婦として意外な人気を博していく。

 その11年前、夫婦で会見を開き、似た構図で笑いをとった(?)のが峰竜太と海老名美どりだ。妻の隣で「もう2度と浮気はしません」 と、峰は平謝り。この、女性に頭が上がらないイメージは後年『アッコにおまかせ!』の司会などに活かされることになる。

会見場で仁王立ちのカイヤ。27年後、2人に泥沼の離婚訴訟が待っているとは……
会見場で仁王立ちのカイヤ。27年後、2人に泥沼の離婚訴訟が待っているとは……
【写真】川崎麻世に突き立てられた刃物の痕を見せるカイヤ、小室哲哉と華原朋美の貴重な2ショット