話題を集めるにはテクニックが必要

 不倫報道などで“匂わせ”投稿が注目されているだけに、それを取り入れた宣伝の新トレンドなのか? と思いきや「広告では昔からある手法」と、メディア文化に詳しい法政大学の稲増龍夫教授は語る。

「情報を小出しにし、“何かあるかも?”と消費者を巻き込んで盛り上げていくのは、マーケティング的にはむしろ王道的な手法です。いわゆる“匂わせ女性”は公には言えないけど、伝えたい……という感情のあらわれだと思うのでまったくの別物ですね」

 ネット、エンタメ事情に詳しいフリーライターの大塚ナギサさんは、昨今のSNSを取り巻く環境とユーザーの意識の変化も大きいのでは? と分析する。

消費者に宣伝と気づかれない『ステルスマーケティング(ステマ)』行為が問題になり、できなくなりました。一方で直接的な宣伝ツイートは反感を買うことも多い。そんな中、SNSでバズらせて宣伝をしなくてはいけない……という状況のため、各PR担当者はいかにウケる投稿をするかが課題になっている。匂わせプロモーションが続いて話題になったのは、昨今“匂わせ”行為が話題になっていることもあり、SNSユーザーの興味と合致したことも大きいのではないでしょうか」

 しかし方法を間違えると、逆に炎上するケースも。

 '18年12月、人気デュオの『ゆず』が公式サイトで『今後の活動について重要なお知らせがあります』と発表。まじめなトーンも相まって、解散を心配するファンが続出。

 しかし数日後に、AbemaTVの生放送で発表された内容は、'19年春に弾き語りドームツアーを実施するということだった。そのため、

《いろいろガッカリ》

《ツアーなんか行かない》

 と、次々にバッシングされる結果に……。

「AbemaTV内で発表するということで、“バズる企画”を考えてほしいとスタッフにお願いがあったそう。『重大発表』の案が出た際、会議ではみんなノリノリだったそうですが、炎上したあとは責任のなすりあいに(苦笑)」(テレビ朝日関係者)