“匂わせ”と“騙し”の違いって?
テレビや広告業界では、SNSを使った“バズる企画”を求められる機会が増えていると放送作家は語る。
「最近は、SNSでの告知方法も考えてほしいという依頼も増えましたね。SNSは“リツイート”や“いいね”の数が表示されるため、多いとスポンサー受けがいいみたいです。でも、高齢のプロデューサーだと炎上のリスクをわかっていない人も多く、現場が振り回されています」
大塚さんも、話題になる“匂わせ”にはテクニックが必要だと苦言を呈する。
「100のうちの何割かを見せる“匂わせ”プロモーションであれば、最近ブームの『謎解きゲーム』のように消費者も楽しんでくれます。しかし、ゆずのような“ゼロ”のものをまるでやるかのように見せるものは単なる騙し。そのため裏切られたと感じる人が多く、炎上しがちです」
また、人気のない人がやってもスルーされるだけだと大塚さんは続ける。
「マクドナルドや『とんかつDJアゲ太郎』出演者のような人気者、人気企業がやるから興味を持ってもらえる……というのが大前提です。“匂わせ”に限らず、仕掛けたのにまったく話題にならないと、スベっている企業やタレントと思われ、マイナス効果になる可能性も。この手のツイートはリスクもあるので、安易にはやらないほうがいい」
SNSでさまざまな仕掛けをする企業が増えている理由を、稲増教授はこう分析。
「ライフスタイルの変化もあり、マスメディアが今まで行ってきた手法が通用しなくなってきている。メディアが過渡期を迎える中、宣伝する側も試行錯誤している状態。SNSはお金をかけずにブームに火をつけるキッカケにはなるので、使わない手はないという感じなのでしょう」
“唐田さん”も、今後は匂わせるのは宣伝だけにしては?