むつき庵では正しいつけ方を学ぶ研修会も実施
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 介護脱毛のほかにも排泄ケアの負担を減らす方法はある。

福祉用具をうまく使えば介護する側もラクになる

「福祉用具や介護方法についての知識を持つことで、介護される人の状態は変わります。寝たきりだった方が、介護ベッドやポータブルトイレを上手に使ったことで、おむつが不要になった例は少なくありません。まずは、いろいろなものがあるという情報を知っておくだけでも展望が開けますし、安心できるのでは?」

 こう語るのは、排泄ケアをめぐる問題に詳しい『排泄用具の情報館 むつき庵』代表の浜田きよ子さん。

 むつき庵では、さまざまなタイプのおむつや尿パッド、何種類ものポータブルトイレ、差し込み便器、尿瓶のほか、排泄しやすいよう工夫された衣服などもそろえている。

 これらの福祉用具をうまく使えば、おむつ交換が不要になるだけでなく、介護される人の気持ちも変わる。何より、介護する人の負担を軽減させる効果があるという。

「こうした福祉用具って、スマホやパソコンのようなもの。私もパソコンが出始めたころは関心がなかったのですが、使い始めたら便利で手放せなくなりました(笑)。福祉用具も同じで、使ってみなければわからない」

 浜田さんのもとで、実際に手に取りながら、排泄ケアに関し相談することも可能だ(木曜~土曜の10時~17時)。

 排泄用具の力を借りながらも、ケアがうまくいかないときは、介護をする人の接し方や、介護される人との関係性が影響していることも。

「おむつ交換を家族にはしてもらいたくないと言う人も大勢います。するときでも、身体の触れ方は重要です。いきなりするのと、やさしく身体に触れてからするのとでは、まったく違います」

 排泄は生活のすべてに関わること、と浜田さんは言う。

「ちゃんと食事をとれなければ、きちんと排泄できません。介護以前に日々の暮らしの中で排泄に関心を持ち、生活の質を考えることが重要です」

むつき庵には多種多様なおむつがある

(取材・文/千羽ひとみ)


【識者PROFILE】
大地まさ代院長 ◎リゼクリニック新宿院・院長。1988年、近畿大学医学部卒業。近畿大学病院などを経て2015年より現職。脱毛専門医、美容皮膚科医として女性たちに寄り添う、きめの細かい診療に定評がある

浜田きよ子さん ◎『排泄用具の情報館 むつき庵』『高齢生活研究所』ともに代表。母の介護をきっかけに高齢者の暮らしを広げる用具を研究。排泄介護や介護全般の相談、研修を行っている。『はいせつケア・リハ』ほか著書多数