全身がウロコで覆われているマレーセンザンコウ(松林教授提供)
全身がウロコで覆われているマレーセンザンコウ(松林教授提供)
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キスや舐められることは避けて

 動物から人間に感染するのであれば、その逆もありそうだが、東京の「ダクタリ動物病院東京医療センター」の富田真理獣医師はこう語る。

「今のところ、死亡者が多い武漢やイタリアからは人から犬や猫へ感染したという報告は出ていません。

 香港の犬も、陽性から陰性になったあとに死んでいますが、17歳と高齢でしたので新型コロナが原因だったかは疑わしいです。ただ、発症しなくても、動物がウイルスのキャリアになる可能性はあると思います」

 富田獣医師のもとには、ペット感染報道のあと、飼い主からの問い合わせが複数あった。

「今までは、犬や猫の細菌で人が皮膚病になったり、犬からの狂犬病の感染はありましたが、人から動物への感染ということはなかった。風邪もインフルエンザもそうです」

 未知のウイルスだけに、どちらがどちらに感染させるかはわからない。予防策は?

「まったく接触しないというのは難しいでしょうから、もし新型コロナの疑いを持つ人なら、まず動物に触る前後は必ず手洗いをすることです。

 キスや舐められることは極力、避けてください。マスクはしましょう。食べ物は共用しないことも大切です。

 自分が入院する場合は、知人やペットシッターに預けることも考えてください。ケージや部屋に隔離すると、動物にストレスがかかるかもしれません」(富田獣医師)

 人間ばかりではなく、動物たちとの「濃厚接触」や、「飛沫感染」にも注意したほうがよさそうだ。