生行為で感染する可能性

 風邪かコロナか判別できない発熱などの初期症状にも敏感でありたい。家族で共用しないほうがいいものは─。

「家庭内に症状がある人がいる場合には、食事は別にとることをおすすめしますが、それが難しい場合でも、食器の共用(大皿からの取り分け)は避けてください。またタオルや寝具などの共用もやめましょう」(村中医師)

 食器や洗濯物を一緒に洗っていいか迷うことも。ティッシュゴミの処理にも困る。

「洗濯物は具合の悪い家族とは別にし、水温を変えられる洗濯機であればできるだけ高温で洗濯しましょう。

 鼻をかんだティッシュゴミや使用ずみのマスクは、フタのないゴミ箱に捨て、ゴミに出した後は手をしっかり洗いましょう。ウイルスが飛び散るのではないかとフタつきのゴミ箱を使う方がいますが、その危険性はありません。フタを開け閉めするときに手にウイルスがつくことがあり危険です」

 と村中医師。

 外出先では、政府の感染症対策専門家会議が注意喚起する「密集」「密閉」「密接」の“3密”を避ける。

 東京都の小池百合子知事は、こうした条件がそろう夜間営業のバーやクラブなどへの出入りを控えるよう求め、海外では挨拶がわりのキスやハグが消えつつある。

 濃厚接触者にならないためには、あやしい咳をするパートナーには不用意に近づかないようにしたい。性行為は当然危険だが、こんな情報も。

「中国・武漢で亡くなった37~88歳の女性感染者35人のケースを調べたところ、性行為パートナー間の感染が約43%でした。性行為で感染したかは不明ですが、膣からはウイルスが検出されなかった。つまり性交感染する可能性は低い。ただし肛門からは検出されていますし、肌が触れ合うことにはリスクがあります」(前出・勝田教授)

 前出の上理事長も、

「男女の性器からは感染しないようです。ただし、ウイルスが体内に侵入するのは目、鼻、口、肛門などの粘膜からなので、不衛生な手で触ってはいけません」

 と念押しする。

 自分と家族を守るため、やれることは実践しよう。

感染しないためには……

・10人以上の「密集」には近づかない
・換気の悪い「密閉」空間に行かない
・2メートル以内の「密接」を避ける
・手洗いはこまめに20秒はかけて丁寧に
・マスクを過信しない
・うがいは20分間行わないとほぼ無意味


※複数の専門家などへの取材から作成