自分のYouTubeなのに「なにもわからない」

 同ドラマの番宣で朝の情報番組に出演した際、佐藤は「世の女性を悶絶させている」ことについて問われ、「いや〜恥ずかしいですね」としながら、《キスをして“これは治療だ”と詰める》という、現実世界にいたらガチ引きするようなドSドクター芝居に対し、「よく考えるとなにやってるんだろうって思ってやっていました」とおおいに照れてみせた。

 しかし、『SUGAR』の生放送では一転。ヒロインの上白石萌音と部屋のなかで顔を寄せ合って会話するシーン内で、“彼女の後頭部に手を回し、結んであった髪をほどく”というアドリブを入れたと告白。「台本にはないんだけど、芝居してて、ほどきたくなったんでやりました」と自ら進んで語り、ファンを“キュン死”させた。不特定多数がみているテレビとファンだけがみているアプリとでは、全く違う一面をみせているというのがなんともあざとい。

 佐藤健がSNSを駆使してプロモーションを成功させた最大の要因は『公式LINE』や『SUGAR』といった他の芸能人があまり活用していない、つまり“競合の少ない”アプリを駆使していること。そして、これまでツイッターやインスタグラムといった王道のSNSを使ってこなかったという点だろう。おかげで本人のプレミア感を高めることに成功しており、つまるところ、“佐藤健、降臨!!”を感じやすい仕組みづくりができているのである。

 そんな株価急上昇銘柄である佐藤健が、「闇営業の宮迫博之」「パワハラのTKO木下」ら芸能界の魑魅魍魎(ちみもうりょう)がうごめくYouTubeの世界に颯爽と登場したわけだ。

 最新動画は、事務所の後輩である神木隆之介らと“ノープランでドライブ”をするという企画。オープニングで佐藤健は芸能人オーラ満点のグラサンをかけながら、

「ある人に呼び出されまして待っているわけですけれども……本当に(企画について)なにも聞いてないですね」

 とぼやく。テロップには《とある人の持ち込み企画の為何もわからず》の文言。この“とある人”というのが神木くんなわけだが、自分でチャンネルを開設しておいていきなり「何もわからない」ってどういうこっちゃねん──。

 いや、でもこの登場の仕方こそが、“佐藤健、降臨!!”イズムの真骨頂ではないだろうか。とことんファン心理をくすぐる“あざとさ”がここにもちりばめられている。どこまでが計算なのか、あなおそろしや。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉