韓国の“飴と鞭”の政策

 その後、検査結果が出るまでの待機場所として空港近くのビジネスホテルに誘導されましたが、バスの中も混雑していました……。

 私は運よく、ひと晩で陰性結果が出たのでそのまま自宅に近い羽田空港までバスで送ってもらうことができました。

 そこから公共の交通機関を使わないで、つまり車で迎えに来てもらうか、周辺のホテルで2週間の待機ということになりましたが、強制でないことに驚きました。監視されているわけではないので、電車やバスで帰ることもできます。さらに、ホテルでの滞在はすべて自腹なので途中で切り上げる人もいるのではないでしょうか。

 その点、韓国の“飴と鞭”に基づいた政策は参考になります。感染の疑いがある者や入国者は全員が検査を受け、2週間の強制隔離を命じられますが、その間の滞在費などの補償がついてきます。

 特に入国者は、スマホに位置情報を把握されるアプリを強制的にインストールされます。しかし、それを置いて外出する人が続出して問題に。

 その結果、GPSバンドの着用を強制できるように準備中で、報奨金付きの密告制度を充実させて、対象者の監視を徹底的に行うつもりです。韓国は完全な自由主義国ではなく、北朝鮮とはあくまで休戦中という緊張感もあるので、日本との単純な比較はできませんが……。

 しばらく半地下に戻るつもりはありませんが、その間、映画のように洪水に襲われたり、追い出されたりしないように祈るしかありません。