さらに、

「夏は半袖・短パンなど素肌を露出する機会が増えます。素肌やうぶ毛などの体毛にもウイルスは付着しうる。ただし、長袖を着ているときと感染リスクはそんなに変わりません」(同)

 健康な肌の表面にウイルスがついたとしても、そのまま体内に染み込むことはないという。

蚊に刺されて感染する?

 あくまで素肌や体毛、衣服に付着したウイルスを触った手で、目や鼻、口などの粘膜を触ることで感染する。つまり、服装は関係ないというわけ。

 ならば、接近するウイルスを追い返せないか。

 例えば、電車の中。くしゃみの微細なしぶきとして空中に浮遊するウイルスを、携帯式の小型扇風機や、うちわであおいで吹き飛ばしたい。

「現実的にはまず無理でしょう」と指摘するのは前出・徳田室長だ。

「空中にウイルスが浮遊しているシチュエーションは限られます。くしゃみの細かい飛沫が舞う短時間が想定されますが、マスクをつけずにくしゃみをした人に小型扇風機を向ければトラブルにもなりかねない。ウイルスを吹き飛ばそうなどと考えず、くしゃみの届かない距離を保つようにしたいですね」(同)

 夏は蚊に刺されたり、ダニなどの小さな虫に食われる不快なシーンも増える。ウイルスを媒介しないだろうか。

 前出の勝田教授は、

「蚊が媒介するウイルスはデング熱、チクングニア熱、ジカ熱が3大チャンピオン。新型コロナを蚊や虫が媒介したとする報告はありません」

 と答える。

 マスクで汗ばむこともありそうだが、

「具合が悪くならない範囲で、必要に応じてつけたほうがいい」(前出の徳田室長)

 とのこと。

 コロナが終息しない限り、今年はそうとう手ごわい雨期と夏を迎える。