新型コロナは高温多湿に弱いとされるが、常夏のシンガポールでも感染が拡大するなど未解明な部分が多い。

 夏でも熱いシャワーを浴びたほうがいいのだろうか。

夏になれば消える、は間違い

 関西福祉大学の勝田吉彰教授(渡航医学)が答える。

「熱いシャワーぐらいでは身体に付着したウイルスは死にません。80度の熱湯ならば殺せますが、ヤケドしますので現実的ではない。むしろ、ぬるめのお湯でいいので、ウイルスを洗い流すようにしましょう」

 東京都はホームページで、衣服についたウイルスの熱湯消毒について「80度で10分間」を有効としている。

 一般的に、お風呂の浴槽はおおむね38~42度ぐらい。熱でウイルスを仕留めるにはほど遠い温度といえる。

 外出先ではどう変わっていくか。梅雨どきには公園の遊具やベンチなどが雨ざらしになる機会が増す。

 NPO法人『医療ガバナンス研究所』の上昌広理事長は、

「ベンチの手すりなどにウイルスが付着していたとしても雨で流される可能性は十分ある」

 と話す。

「中国の研究者たちは“感染するのは基本的に屋内だ”と指摘しています。つまり、屋外の感染リスクはそもそも低いといえる。リスクのあるものに触れたあとは手洗いが必要ですが、過度に怖がらないことです」

 梅雨が明ければ、真夏はすぐそこ。

 世界保健機関(WHO)は、

「インフルエンザのように、夏になれば消えると考えるのは間違い」

 と見解を示しており、前出の上理事長も、

「2009年の新型インフルエンザはGW明けから真夏にかけて流行しています」

 と警戒する。

 日差しも強くなり、“ステイホーム生活”による運動不足を解消するための散歩やジョギングもしんどくなってくる。

 米政府は、紫外線が新型コロナウイルスを減少させる効果があるとする研究データを発表しているが、日光浴でウイルスを殺せないか。

「紫外線で肌の表面についたウイルスが死ぬ可能性はありますが、体内に入り込んだウイルスを殺すのは無理です」

 と、前出の勝田教授。