“野菜嫌い”だった西城さん

 美紀さんの著書『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年』には、実は計8回も脳梗塞を発症していたと記されている。野菜嫌いだったが、美紀さんは健康のために食べてもらおうと工夫していた。『趣味の園芸 やさいの時間』(NHK)で共演していた恵泉女学園大学の藤田智教授が語る。

西城さんは奥さんが作ってくれたお弁当を持って来ていました。“そのトマトおいしそうですね”と言うと“これ食べなきゃいけないんだよ~”と言いながらも美味しそうに食べていましたよ。年子の3人のお子さんがいらっしゃいますから“俺はもっと頑張らないといけない”とよく話していました

 撮影現場には子どもたちもよく来ていたそうで。

「“土からにんじんを引き抜いていいよ~”と言うと、撮影に使う分も全部抜いてしまって、慌てて戻して撮影したこともありました(笑)」(藤田教授、以下同)

 外では大スターでも、子どもといるときは、ひとりの父親の顔になっていた西城さん。

教育テレビの番組はほとんど1%台なのですが『趣味の園芸』は3%台で、この数字は民放の20%に匹敵するそう。撮影現場には熱烈なファンの方もよく来ていましたね。西城さんはいたずら好きで、ピーマンだと言ってハバネロを渡したことも。食べたファンの方はヒーヒーいいながらもうれしそうでしたよ(笑)

 西城さんが脳梗塞の再発で降板し、後を継いで番組に出演したのはダイアモンド☆ユカイ。子どものころから西城さんのファンだったという。

秀樹さんはほかのアイドルと違い、ワイルドで男っぽいキャラ。少年たちの憧れだったんです。オレは特に『薔薇の鎖』が好きで、学校でもほうきをマイクスタンドがわりにして歌っていましたね

 ユカイがデビューすると、'96年に西城さんのロック・ミュージカルに呼ばれて共演。別荘にも招待されるほど親しくなった。

飲みながら朝まで話してくれて、学生時代の先輩のようでした。でも、いるだけでスターのオーラがあるんです。プールで泳ぐと、海パン姿でもカッコいい。人間性も素晴らしかった。ミュージカルに呼んでいただいたころのオレは、とがっている時期だったことや、配役が重要な役でなくフテくされていたため1度もリハに行かなかった(笑)。いま思えば迷惑をかけたと思います。でも西城さんは“オレも昔はそんな感じだったよ”とかばってくれたんです

 ユカイには西城さんから教えられたことがある。

“憂うつなど吹き飛ばして、君も元気出せよ”ということ。天からのメッセージのように伝わってくると、“自分も頑張んなきゃな、こんな人間になりたいな、自分も歌やテレビでみんなを元気にさせなきゃな”と思っています」

『趣味の園芸』共演時の西城秀樹さんとダイアモンドユカイ
『趣味の園芸』共演時の西城秀樹さんとダイアモンドユカイ
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