子どもたち自らが「やってみたい」

 真威人は昨年末に『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)の「初登場! 2世芸能人祭り」に出演。18歳の姉、14歳と12歳の妹もおり、この1年で、藤岡家の子ども全員がテレビ出演を果たしたことになる。

藤岡「昨年は令和元年。新しく日本の生まれ変わるタイミングなのでいいと思ったんです。子どもたちも新しい体験をして“やってみたい”と言っていたので。最近は家族問題で悲しい事件が多いじゃないですか。親が子を殺し、子が親を殺し……。動物の世界じゃ絶対にありえない。そのことに気づけなくなったわれわれは、いかに傲慢なことか。今までは、私だけが俳優として表現をしてきましたが、家族としてのメッセージもいいのではないかと思い、新たに踏み出すことにしました」

子どもたちは毎日、囲炉裏の前で父と瞑想や祖先の歴史の勉強をする
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 芸能界という厳しい世界に、子どもたちを放り出すことへの不安はないのか?

藤岡「映像の世界で生きるには公的な精神を持っていなければならない。世間に与える影響力は大きい。どう責任を持ちながら、自分を磨いていくかを考えなくちゃいけない。これから世間から厳しい目で見られる存在になります。今は何が起きるかわからない時代。さらわれたり、突然、刺されたりするかもしれない。この世のあらゆる危険に満ちたトラップから自分を守れる術は考えておけと常に話しています。何か起きたときは、私が教える実体験で得た実践と心で試練を乗り越えていってほしい。本当の優しさとは強さという基盤があってこそなんだと伝えています」

 とはいえ、藤岡家では特に厳しい教育を行っているわけではないという。

藤岡「私と同じ道を、子どもに強いるのは違うと思うんです。私は昭和21年生まれ。戦後の大変な時代と今は違うので、同じことを言うのは無理な話。ただ、武道という道を通じて試練を与えたいという気持ちはあります。今、自宅の武道場を改装していて、子どもたちのための多目的スタジアムにして、修行の場にできるようにするつもりです」

 柔道、空手、刀道、抜刀道、小太刀護身道など、あらゆる武道に精通している藤岡。これまで世界100か国近くを訪れて、紛争地域・難民キャンプなどで救援活動を行ってきた実績がある。そうした経験を次世代に伝えたいという思いがあるようだ。

藤岡「子どもにはどんな状況に追い込まれようとも、ちゃんと生き抜く力を伝えたい。いちばんやっているのは『サバイバル訓練』です。ナイフ1本で生き抜くにはどうすればいいか、自分がとったものをどのようにして食うか。魚のさばき方、ナイフの使い方、火のおこし方。キャンプで遊びながら伝えています