石垣空港の様子(筆者撮影/東洋経済オンライン)
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 佐々木さんは不安な点が2つあると話している。

(1)直接予約に対して枠の申請をしても前年の実績がないことから枠が取れない可能性がある

(2)海外系の予約サイト経由の予約も多いがその場合に対象となるのか

 THIRD 石垣島は平均宿泊単価が1室4万円程度のため、Go Toが適用されるかどうかで旅行者の負担は大きく変わる。佐々木さんは「早く適用の可否を判断してほしい」と話していた。

 実は給付金に関しては、すでに給付の仮枠申請が開始されており、7月28日までに一部の旅行会社に対して給付金の割当額が提示されている、という情報を筆者は入手している。ただ割当額を決定するにあたり、どんな基準で配分の比率を決定したのかという情報が非開示になっており、中小の旅行会社などからは不満の声が上がっている。

 事務局を運営する「ツーリズム産業共同提案体」には、JATA(日本旅行業協会)を中心にJTB、KNT-CTホールディングス、日本旅行、東武トップツアーズ、楽天などが名を連ねている。事務局に入っている旅行会社とそれ以外の旅行会社で情報に差があるという声が旅行業界関係者から聞こえてきている。

 実際、給付枠の仮枠申請の受付期間は7月21~30日までとなっているものの、観光庁の資料によると申請受領後に随時配分通知を出すと明示されている。ただ、申請の総額がわからない中での割当額を通知するというのは予算が限られている中で不透明と言わざるをえない。旅行会社別・宿泊施設別の割当額も国民に対して公表すべきだろう。

7月27日以降の宿泊施設への直接予約は?

 各都道府県のホテルや旅館の組合からは、宿泊施設に対して第三者機関「STAY NAVI」を活用することで、ホテル・旅館の公式サイトから予約において、7月27日予約分以降「Go To」が適用されることが案内されている模様だ。この第三者機関とは、電子上で宿泊記録などの情報を保管・管理できるシステムを用意することで、中小の宿泊施設が多額のシステム投資をすることなく、自社予約に対応できる仕組みになっている。

 ただ、「STAY NAVI」がどの程度の給付金の割当額が提示されているのかについても明らかにされておらず、日本全国の中小の宿泊施設の多くが登録することになれば給付金の割当額が足りるかどうかの不安もある。

 Go Toが始まって1週間。旅行者はもちろん、旅行会社や宿泊施設側も混乱している。ルールを明確にしない限り、不安だけが続いてしまう。本来旅行は楽しむものなのに、今は旅の計画段階からストレスが溜まる状況にある。そんな状況でGo Toはスタートしてしまったのだ。これだけの問題噴出が続く中で強行してしまった政府は、いったいこの責任をどう取るつもりなのか。


鳥海 高太朗(とりうみ こうたろう)航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師
1978年千葉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。食品会社、コンサルタント、城西国際大学観光学部助手を経て現職。専門は航空会社のマーケティング戦略。利用者・専門家の双方の視点から各社メディアを通じて情報発信をしている。