仕事のトラブル編

派遣社員の私も「退職金」ってもらえるの?

 給料アップも望めないのに、ましてや退職金なんて……と思っていたら、「法改正で派遣社員も退職金をもらえるように」という朗報が!

「いま、正社員と非正規の不合理な待遇格差をなくす『同一労働同一賃金』を目指して、さまざまな法律が整備されていることは確かです。でも、法の抜け道が多く、格差は解消しそうにありません」

 と、労働問題に詳しい旬報法律事務所の佐々木弁護士は渋い顔。残念ながら、派遣元企業と派遣社員の過半数が合意すれば、退職金は派遣元の決めた水準にできてしまうのだ。それに不満でも立場の弱い派遣社員は抵抗しづらい。

「ただ、近ごろはパートで働く女性たちが格差解消を求めて裁判を起こすなど、さまざまな動きが展開されています。非正規でも簡単に会社からの要求をのまず、労組などと協力しながら待遇改善を求めていきたいところです

パートのシフトが激減! コロナだからしかたない?

「パートの時間を減らされそうなとき、まず確認してほしいのが労働の契約内容。“〇曜日の〇時から〇時まで”という契約で働いているなら、それを会社が一方的に変えることはできません」

 と、佐々木弁護士。泣き寝入りは不要。会社から契約分の給料をもらう権利がある!

「ただし、勤務時間が“シフトによる”といったあいまいな内容だと、契約違反とするのは難しいです」

 会社ともめたときは、どうすればいい?

「契約内容を勝手に変えられそうなときは労働基準監督署へ。職場に何らかの指導をしてくれるかもしれません。社内の労働組合に加入できる場合は労組へ。あるいはパートも入れる労組や、労働問題に強い弁護士などに相談してみてください」

気に入らない上司をディスってもパワハラじゃない?

 嫌いな店長の悪口を言いふらしても、パートの私なら大目に見てもらえるよね?

「いいえ、部下から上司に対する暴言もパワハラになりえます」

と、佐々木弁護士はキッパリ。相手が誰であれ、ダメなものはダメなのだ。

「パワハラの定義には“優越的関係を背景に〜”との説明がありますが、人間関係を総合的に見ると必ずしも上司が強い立場とは限りません。部下から上司への嫌がらせはもちろん、暴力もNGです」

 今年6月からパワハラを禁じる法律が施行されたばかり。特に注意したいのが、「昔の体育会系のノリで若手を鍛えると、ハラスメントと感じさせる可能性が高い」こと。

「“結婚しないの?”“子どもはまだ?”といった発言もハラスメントになりえます」

転勤を断った夫が減給! 降格! あげくクビに!

「実は会社には、社員に転勤を命じる権利があります。例外は、採用のときに“勤務地限定”の契約を結んでいたケース。この場合は、転勤を命じることは会社側の契約違反で落ち度に。まずは契約内容の確認を」(佐々木弁護士

 一般社員が転勤を断ったら給料カットはしかたない?

「“業務命令違反”を理由に減給されるかもしれません。ただ、給与カットには従業員の合意が必要なので、減ったとしても数か月でしょう。一方、降格はありうる話ですね。クビは、会社が何回か警告をすれば可能になります」

 ただし反撃の方法はある。

「例えば報復人事としての転勤なら、命令を無効にするよう争う余地はあります。いったん命令を受け入れ、転勤してから裁判を起こすのです」