はじめに言葉ありき。聖書の一節だが、芸能界のスキャンダルにも名言や迷言がつきものだ。そこから騒動の真相、その芸能人の本性を掘り下げるのがこの連載。まずは、手越祐也の独立会見を取り上げてみる。

 今年6月、ジャニーズ事務所を退所して、その経緯や将来の夢を語った手越。

世界進出というか、世界ナンバーワンのアメリカも攻めていきたいなと

 これもまた、夢のひとつだ。ただし、今後の彼の活動がそんなにうまくいくと感じた人は少ないだろう。

手越の会見で見えた“諸星路線”

 往々にして、会見からはその人の未来が見える。ジャニーズの歴史でいえば1989年の大晦日に近藤真彦が中森明菜とともに行った会見もそうだ。会場には金屏風が用意され、明菜は婚約発表まで期待していたが、マッチはそこをスルー。あの会見はふたりの破局と、その後の明暗を予告するものでもあった。

 では、手越の会見から見えるものとは何か。それは、諸星和己のようになっていく未来だ。光GENJIのエースとして絶大な人気を誇った諸星は、'95年に独立。手越はこの先輩とよく似ている。グループ時代のイメージカラーも同じピンクだし、明るくポジティブ、ちょっとおちゃらけたキャラも近い。また、手越の独立はフライングぎみな印象だが、諸星もグループの解散コンサートで自分の新たなファンクラブの宣伝をするなど、思い切り先走っていた。

 そして、海外志向である。諸星もアメリカに憧れ、実際、ニューヨークで活動もした。が、成功とは言いがたいし、日本でもあまり活躍はできていない。

 そんな諸星も、独立から数年はメディアにけっこう露出していた。“芸能人は歯が命”のキャッチコピーで知られるアパガードのCMや、ドラマ『ナースのお仕事』(フジテレビ系)に出演。これは業界最大手であるバーニングプロが庇護してくれたおかげだ。