とるべき油と避けるべき油

 油の種類は大きく分けて4つに分類できる。

飽和脂肪酸:高コレステロールや中性脂肪の原因となる
オメガ3(αリノレン酸):体内に入るとDHAやEPAに変化する
オメガ6(リノール酸):サラダ油に分類される
オメガ9(オレイン酸)を含む一価不飽和脂肪酸:酸化しにくく、悪玉コレステロールを下げる働きもある

 何より大切なのは、この中での、オメガ3とオメガ6のバランスだという。ともに人体では生成できず、食べ物から摂取が必要な「必須脂肪酸」。

「血管や血液を健康に保ち、血流改善、抗アレルギー作用のある『EPA』や、抗炎症作用、脳・神経系の働きを維持する『DHA』もオメガ3の一種。

 一方、オメガ6も身体に必要な脂肪酸ですが、問題は現代の食生活では過剰になりやすいことです。オメガ6のリノール酸は、体内の酵素によりアラキドン酸に代謝されます。これも脳の働きに必要で、不足すると欠乏症となりますが、過剰摂取だと炎症や血栓を作る分子を増やし、あらゆる疾患を招きます」

 理想はオメガ3が1に対し、オメガ6が2~4の割合(血液系疾患がある場合は異なる)。自分がオメガ3とオメガ6をどんな比率でとっているのかは、病院で受けられる血液検査「脂肪酸四分画」などで知ることもできるが、現代の食生活ではオメガ3が不足し、オメガ6が過剰な人がほとんど。オメガ3の摂取を心がけ、オメガ6は抑えることが、油脂バランスを整える鍵だ。

「1日、小さじ1~2杯、オメガ3が豊富なオイルをとる。DHAやEPAを含む青魚を食べるだけでも、バランスが改善されます。また、『炒める・焼く・揚げる』といった油必須調理から、なるべく『煮る・蒸す・ゆでる』の水性料理に変えてみましょう」

 私たちが摂取する油脂量の8割は、食材に含まれる“見えない油”。意識してコントロールできるのは2割ほど。正しいオイル生活を心がけよう。

■目指すバランスは、オメガ6:オメガ3=2〜4:1

【オメガ3】
主な作用……アレルギーを抑制/炎症を抑制/脳細胞活性/血液サラサラ
含有率の高いオイル……アマニオイル/エゴマオイル/サチャインチオイル

【オメガ6】
過剰摂取時の作用……アレルギー悪化/炎症促進/血栓促進/血液凝固
含有率の高いオイル……紅花オイル/セサミ(ゴマ)オイル/コーンオイル