《2022年問題について》
 2022年問題とは、生産緑地法の期限が切れて農地が売りに出され、不動産の価値が下がるといわれている問題。「影響はないとは言えませんが、農地の宅地化が一斉に起こるわけではなく、特例措置もあるので、急激な不動産の価値低下などが起こるとは考えられません。とはいえ、いま空き家(空き地)があるなら、できるだけ早く手放したほうがいいに越したことはありませんよ」(大久保先生)

選択肢2:貸す

 貸すという方法は不動産を残しながら、収益を得ることもでき、魅力的な選択肢に感じます。マンションで駅近、築浅というような物件であれば賃貸もよいかもしれませんが、家賃として収益が出せる物件は多くはありません。

 リフォームをしたものの借り手がつかず、固定資産税や保険などで出費だけが膨らむことになりかねません。

 また、借り手がついても、家賃を払ってくれない、騒音などで近所からクレームが入る、家をきれいに使わないなどのトラブルが生じることも考えられます。

 管理会社が入れば、そのようなストレスは軽減されますが、管理費の分、収益が減ったり赤字になる可能性が高まります。

 戸建てはファミリー需要があるので、駅から遠くても学校に近い、駐車場が複数台分あるなど立地や条件によっては借り手がつきます。貸し出すときに注意すべき点は、定期借家契約にすることです。

「民法上、借り手の住む権利は強く保障されています、ですから誰も住む予定はないからと期限をつけずに貸してしまうと、買いたいという人が現れたり、古くなって取り壊したいなど事情が変わっても、出ていってもらえません」

 定期借家契約は契約期間は自由に設定でき、基本的に契約の更新はありませんが、貸し主と借り主が合意すれば再契約は可能です。また、契約期間中に借り主に転勤などやむをえない事情が発生した場合には、借り主からの解約の申し入れが可能で、申し入れから1か月経過すれば契約が終了。

 また、仲介は不動産屋に頼む場合がほとんどですが、不動産屋によってすすめる家賃にもバラつきがあります。高ければいいように感じますが、借り手がつかないリスクも。まずは自分でインターネットなどを利用し、相場感をつかんでおくことも必要です。

《売るなら貸すなの法則》
 編集部員Aの実話。「じきに売る予定でしたが不動産価格が低下しているから売り時まで待とう」と、短期間賃貸に出して収入を得てしまいました。ところが、1度でも賃貸に出すと、その物件は収益物件になってしまいます。一般住宅に比べると収益物件は売却価格が安くなってしまうことを知りませんでした。結局は損ということになり、泣きを見るはめに。