日本のバディもの
ドラマの元祖とは 

 カトリーヌさんいわく、バディものは前出のミステリー系、復讐系、そして腐れ縁系の3つに分類される。復讐系の場合、ひとりは社会的な地位を持ち、もうひとりが反社会的な存在となり、敵に対して両側から攻めていくというのが王道。『竜の道』は、まさにこのパターンだ。

『ウロボロス』に出演した小栗旬(左)と生田斗真(右)。“信じるのはお互いだけ”という2人のバディっぷりに女性ファンの注目が 撮影/週刊女性写真班
『ウロボロス』に出演した小栗旬(左)と生田斗真(右)。“信じるのはお互いだけ”という2人のバディっぷりに女性ファンの注目が 撮影/週刊女性写真班
【写真】小栗旬&生田斗真ら『ウロボロス』の打ち上げで大盛り上がり

これは闇&闇というダークなイメージのバディものになります。『ウロボロス〜』もそうですね

 そして、腐れ縁系の代表が日本のバディものの元祖ともいえる名作『傷だらけの天使』。

「当時ブームだったアメリカンニューシネマの影響を強く受けていて、切っても切れない縁を持つ2人が自由や成功を求めるけど、最後はすべてを失ってしまう……。『傷天』のバッドエンドに向かっていく感じはまさにそれです。

 今や『相棒』の右京としてバディもののキングに君臨している水谷豊が、萩原健一の弟分でいい味を出してます。でも、最後は風邪をこじらせて死んじゃう。その野垂れ死に感がたまらなく切ないんですよね」
 
 そんな『傷天』的な匂いを持つ作品が、瑛太&松田龍平の『まほろ駅前番外地』や、林遣都と波岡一喜が芸人の先輩後輩役を演じた又吉直樹原作の『火花』だ。

『火花』で芸人をやめた徳永(林)の最後のセリフが“生きてるかぎりバッドエンドはない”。これは'70年代のアメリカンニューシネマ的な世界観に対して、今に生きる私たちの答えなんだと思います。たとえ夢破れても野垂れ死にはしない。生き抜くんだっていう
 
 最後に、秋以降のバディものでオススメは?

個人的に気になるのがバカリズムと井浦新の『殺意の道程』。復讐劇なんですけど、脚本がバカリズムさんだからダークにはなりようがない(笑)。復讐系のコメディーってどんな感じだろう。

 同じく復讐系で『タリオ 復讐代行の2人』も楽しみ。浜辺美波と岡田将生の男女バディなんですけど、脚本&演出が蒔田光治さんと木村ひさしさんという『TRICK』コンビなので、こっちもたぶん普通の復讐劇とはひと味違う感じになりそう。この秋は変化球的なバディものに期待しています」