勤務先の中学には激震が走った

 いつまでも帰宅しない少女。心配した親は警察に通報し、周囲も心当たりを捜し回った。一緒にいたのは「生徒指導に熱心」と評判のいい公立中の先生だった。

「逮捕は何かの間違いではないかと思っている。生徒や保護者から絶大な信頼を集めていたあの先生に限って……」
 
 と、容疑者を知る男性は事件を信じられない様子。

まじめで実直な先生
「もうすぐ校長だった」

 その先生は、静岡県沼津市立中学校の教頭・山本英仁容疑者。9月下旬に県東部に住む10代の少女を車に乗せて誘拐し、車内に監禁した疑いが持たれている。

「少女の話から関与が浮上し、未成年者誘拐と逮捕監禁の疑いで10月4日に逮捕、翌5日に送検された。警察は被害者が特定されるおそれなどがあるとして、少女との関係性や犯行の詳細、容疑を認めているかどうかも明らかにしていない」(地元記者)
 
 少女の親から「娘が帰ってこない」と110番通報があり発覚。関係者によると、事件や事故に巻き込まれたのではないかと周囲が心配して行方を捜すなか、少女は歩いて無事帰宅したという。
 
 年の離れた山本容疑者との接点はどこにあったのか。
 
 冒頭の男性は言う。

「山本容疑者は以前、少女が通う中学で教頭を務めていたことがある。少女にケガはなく、事件翌日も普段どおりに登校したと聞きホッとしている。誘拐目的が明かされていないが、やましくない事情があったのではないか。なにしろ、まじめで実直な先生だから」
 
 つまり、「教頭と生徒」の関係だったということ。