もう1点、今春にビデオリサーチによる視聴率調査がリニューアルしたことによる影響も見逃せない。性別や年齢層などの詳細データがわかるようになり、「スポンサーの求める10~40代に見てもらうこと」が最重要視されるように変わった。

 また、若年層にテレビに関するアンケートを取ると、「見ている番組」としてもっとも挙げられるのが朝の情報番組であり、ネット中心の生活をしている人も「見るとしたら朝の情報番組くらい」という声が目立つ。視聴率調査がリニューアルされたことで、制作サイドは「これらの層をどんな戦略で取り込んでいくのか」を問われているのだ。

 その戦略は視聴率調査がリニューアルされた4月以降のマンスリーエンタメプレゼンターに表れている。ここまで、なにわ男子の大橋和也、DISH//の北村匠海、JO1の豆原一成が務めてきたが、霜降り明星、ガリットチュウ、森崎博之(TEAM NACS)、中林大樹、林家たま平らが起用されていた昨年とは、まったく異なる観点で選ばれていることがわかるだろう。

「ファン層を一気に広げられる」
アイドル側のメリットは

 起用されるアイドル側の目線で見ても、『めざましテレビ』への出演で得られるメリットは計り知れない。

めざましテレビチャンネル「【かわいさ無限大】豆ちゃんの初回オンエア終わりを直撃!【めざましテレビ】」より
【密会写真】シンガポールのプールでセクシー女優とイチャつく伊野尾慧

 もともと朝の情報番組は、アイドルの強みである明るさや笑顔を存分に生かせる場。さわやかでフレッシュな印象を与えられるこれ以上ない番組と言っていいだろう。逆に言えば、中堅アイドルや大物アイドルになってしまうと、その印象が薄らぐため、「出してもらえるなら、できるだけ若いうちに」ということになる。

 もちろん全国放送されることで得られる知名度アップのメリットは大きいのだが、なかでも重要なのはファンの年齢層を広げられること。夜のゴールデンタイムにも、『めざましテレビ』ほど、幼児から学生、ビジネスパーソン、主婦、高齢者まで、あらゆる年代の人々に見てもらえる番組はない。つまり、出演者にとってはそれほど稀有で貴重な番組であり、ファンの年齢層を一気に広げるチャンスなのだ。

 アイドルグループを抱える芸能事務所としても、優先的に出演させたい番組の1つであり、制作サイドとの利害が一致していることから、今後も起用は続いていくだろう。ただし、もし『めざましテレビ』が視聴者に嫌われはじめるとしたら、アイドル路線を進めすぎたときなのかもしれない。

木村隆志(コラムニスト、テレビ解説者)
雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各番組のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、主要番組・新番組、全国放送の連ドラはすべて視聴。著書に「トップ・インタビュアーの「聴き技」84」「話しかけなくていい!会話術」など。