関西弁で押し切る吉本芸人

 複数の所属タレントを声優としてごっそり起用するのが吉本興業、と成田さん。

「昨年6月公開の『メン・イン・ブラック:インターナショナル』には吉本坂46のメンバー46人全員が吹き替え声優を務めています。ま、単なる話題作りのひとつなんですが……」

 吉本の“ごっそり起用”が成功したこともある。それが'81年公開のアニメ映画『じゃりン子チエ』。

「主要キャラクターであるテツの声をアニメ版で西川のりおさんが演じていて、映画化されるにあたり、桂三枝(現・桂文枝)さん、笑福亭仁鶴さん、京唄子さん、ザ・ぼんちなど芸人を大量に起用しました」

 原作の舞台が大阪ということもあってか、声優陣はどハマり!

「みなさんナチュラルな関西弁だから、とてもマッチしていました。違和感はまったくなかった」

 だが、関西弁によって作品のイメージを歪めてしまったのが『シュレック』。主人公である怪物の声優浜田雅功だ。

『シュレック』で主人公である怪物の声優を担当した浜田雅功
『シュレック』で主人公である怪物の声優を担当した浜田雅功
【写真】横並びで見る吹き替えしたガッカリ吹き替えだった「芸能人」

アメリカのアニメーション映画をすべて“関西弁”で吹き替えるという力業。本当にハマちゃんのまんまでしたね

 “ハマちゃんでしかない(笑)”“ダウンタウンのコントを見てるようだった”との声があったが、

「シリーズ化されてパート4まで製作されましたが、最後まで声優はハマちゃんが担当。ある程度、評価はよかったんだと思います」

 浜田同様、素のまんまだったのが小泉純一郎元首相。

「'09年公開『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場するウルトラマンキング役で声優を務めてます。息子の孝太郎さんのすすめで出演を決めたそうです」

 劇中での演説シーンでは小泉節炸裂。ウルトラマンのストーリーに集中できない人が続出したとか……。