コントから入る『スター・ウォーズ』

主人公のルーク役を渡辺徹、レイア姫役を大場久美子、そしてハン・ソロ役が松崎しげるというチャレンジ人選。大場さんはよかったんですけど、ルークとハンは役と声のイメージが違いましたね

 “『スター・ウォーズ』ファンとしてはありえないキャスティング”“当時の渡辺徹はやせてたから声も太っていなかった”と擁護する声もあったが、やはり批判の声が多かった。日本のテレビ局で初放送されるということで気合が入りすぎてしまい、こんなことまで──。

「映画に登場するロボットC-3POとR2-D2が日テレを訪れ、タモリさん、研ナオコさんらと絡み、映画開始前になんと約20分も無用なコントを繰り広げたんです(笑)」

 もともと日本では“洋画は字幕で見るもの”という習慣が根づいていたが、山口百恵と三浦友和が吹き替えた『ある愛の詩(うた)』('70年)などが話題となった。

 テレビ局は話題作の放映権を獲得するのに、多額の費用がかかるようで、

「視聴率で絶対に失敗できないということから、旬の芸能人に声優をさせて1%でも視聴率を高くしたい、話題になるなら何でもやってやろう、となってしまうのはわからないでもないです」

 そんな思いから、TBSもやらかしてしまう。それは'95年放送の『プリティ・ウーマン』。大富豪があるコールガールと出会って恋に落ちるシンデレラ・ストーリーだが、

主人公のリチャード・ギアの吹き替えを、あの石田純一さんが担当。ヒロインは浅野ゆう子さんでした

イメージ違いすぎ!『プリティ・ウーマン』でリチャード・ギアの吹き替えをした石田純一
【写真】横並びで見る吹き替えしたガッカリ吹き替えだった「芸能人」

 トレンディー俳優として数々のドラマで共演した2人。

「この放送直前で最終回を迎えたTBS系のドラマ『長男の嫁2』でも共演しています。平均視聴率20%超えと大好評でした」

 このヒットにあやかって、映画の吹き替えをキャスティングしたのだろう。

「やっぱり違和感があるんですよね。石田さんは当時から色男キャラでしたが、さすがにリチャード・ギアと比べるとその差は歴然かなと……」

 “吹き替えで急に安っぽくなった”“石田の声の年齢がギアと合わない”“石田純一と浅野ゆう子って完全にトレンディードラマじゃん!”などなど厳しい声が続出。

「アニメ『ルパン三世』の石川五ェ門役などで有名な声優・浪川大輔さんは、吹き替えには『自己主張は邪魔でしかない』と言っています。しかしタレントさんは本人のイメージがどうしてもダブる。それが気になって“下手だな”と感じ、ついアラ探しして……かわいそうではあるのですが、仕事を引き受けたなら頑張ってほしいというのが見る側の意見ですよね」

 石田はこの放送の翌年『不倫は文化だ』騒動を巻き起こす。色男の箔がついていたら、ギアとのギャップも埋まっていたかも!?