「もともと好きか」
そのイメージが左右する

 では、多くの芸能人が批判を受ける結果になってしまったのは、なぜ?

「もともとマンガやアニメ、サブカル好きというイメージがあり、それが広く認知されている方の場合は、“コスプレに挑戦する”という行為も受け入れやすいのですが、そうしたイメージがない(または世間にアニメ好きを知られていない)方たちがコスプレに挑戦されると“『鬼滅の刃』が流行っているから、それに便乗したのだろう”という悪いイメージが先行してしまい、結果的にご指摘にあるような“批判を浴びる”状況になってしまったと考えられます。

 個人的には、“流行っているものを取り入れて、それを自分なりに楽しむ”というスタイルは、一般人、芸能人を問わず、批判されるものではないと考えているので、とても残念に思いましたが……。

 著名な方たちにどんどん挑戦してもらうことで、“コスプレは初心者でも気軽に楽しめる趣味”であることの宣伝にもなると思うのですが、そうしたムーブメントに対しては、否定的な捉え方をされる層がいることも事実だと思っています」

 ちなみにソムタム田井さんは、プロのコスプレイヤーの取材&撮影も行っている。コスプレイヤー界隈では、2019年にテレビアニメ版が放送されていたころから、すでに『鬼滅の刃』は人気のある作品だったという。

「放送期間中(2019年4月~9月)に開催されたコミックマーケットには、『鬼滅の刃』のキャラクターに扮したコスプレイヤーが大勢参加。“併せ(同じ作品のコスプレイヤー同士で集まり、集合写真の撮影を行うこと)”を楽しむグループも各所で見られました。

 その人気は放送終了後も衰えず、2019年下半期には、コスプレイベントにおける常連タイトルのひとつとしてすっかり定着しました。どのイベントに参加しても、同作のレイヤーを見かけるようになったほどで、それくらいコスプレ界隈では浸透している作品です。

 今回、批判を浴びることになってしまった著名人のみなさんも、コスプレを経験されたことで、“コスプレの敷居はそれほど高くない”ということを認識されたと思います。一度で終わらせず、趣味のひとつとして、これからもぜひ、コスプレに挑戦していただいて、クオリティの向上に励んでいただきたいと個人的には思っています」

 まだまだ終わりそうにない『鬼滅の刃』旋風。最近では、コアなキャラクターのコスプレに扮するなど、“斜め上”を行く発想で楽しませてくれる芸能人たちも増えてきた。叶姉妹はもちろん、批判を浴びてしまった芸能人たちも、一度きりと言わず、また新たなコスプレ姿で楽しませてもらいたい。