ポロッと口から出た言葉が思わぬところで批判され、隠しごとがバレて集中砲火を浴びる。もはや事件の大きさをはかる物差しになった“炎上”。今年を象徴する大火事ネタの中から、栄えある大賞を選びます!

暇なときほど燃えやすい 炎上バリエが増えた年

 2020年も残りわずか。1月の東出昌大の不倫騒動に始まり、師走にかけては小林麻耶の暴走が止まらない─。今年も芸能人の不倫、政治家の失言、企業のやらかし・不祥事と、ぺんぺん草も生えない炎上だらけの1年だった。

 特徴的だったのは、新型コロナウイルスに関連する炎上事例が多かったこと。マスクをする、しないでもめたニュースは枚挙にいとまがないし、コロナ関連の失言もあちこちで散見していたことは記憶に新しいはず。

 コラムニストの吉田潮さんは、「コロナを過度に気にしすぎるがゆえに招いた炎上もある。行きすぎたやさしさや配慮がはびこった結果の炎上もあって、炎上と同情がないまぜになった騒動もあった」と、今年の炎上傾向を分析。

 また炎上騒動に詳しいネットニュース編集者の中川淳一郎さんは、「暇は最大の敵だとわかった1年。スポーツやイベントが開催されない4~6月は、各ネットメディアのPV数が非常に好調だった」と説明する。

 その結果、テレビやラジオの発言を切り取るだけで直接の取材をしない“こたつ記事”が氾濫し、質の悪いニュースも飛び出した。

「5月には、GWに出かける内容の『サザエさん』の放送回を、“不謹慎だと話題になり、サザエさんが炎上”といった趣旨で記事化したスポーツ紙もあった。実際には炎上していないにもかかわらずです。意図的に火をつけてPVを稼ぐ、メディアのチャッカマン化が目立った1年でもあった」(中川さん)

 その後、でっち上げの記事は削除されるにいたったが、“なんちゃって炎上”すらあったとは驚きだ。

 コロナによって、炎上の質すら変化が起きた今年。現場検証もしつつ、大賞を差し上げてまいりましょう!

年間大賞:岡村隆史

「美人さんがお嬢やります」発言

岡村隆史

 お笑いコンビ・ナインティナインの岡村が、自身のラジオ番組で「短期間ですけれども、美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」と発言し大炎上。

 識者ふたりが、「今年を象徴する炎上」と一致した騒動が本件。コロナ禍で働く場所が制限されるなか、お金に困った女性、中でも通常だったら働かないような美人が風俗に流れてくる─というトンデモ発言は、相方・矢部浩之の公開説教に始まり、自身の電撃結婚の要因になるなど予想外の展開を見せた。

「先述した“ラジオの発言を切り取られニュース化された点”に加え、“ニュース化されたことで普段は聴いていないリスナー以外の耳に入り延焼範囲が拡大した点”も特筆すべきこと。

 本来であれば知らない、出会わない話題やニュースを目にしてしまうのが、ネットやSNSの特徴。免疫がない人が触れると、当然アレルギー反応が出る。

 よりによって、“燃えやすい性的問題、貧困問題に関連する発言だった点”も致命傷だった。ネット炎上のあらゆる要素が複合的に詰まっている。さらには、コロナで暇がゆえに、その他メディアが追従し、山火事のようになった」(中川さん)

「民放のバラエティー番組だけでなく、『チコちゃんに叱られる!』や『麒麟がくる』など、岡村さんはNHKともかかわりが深かった。

 過去に、国民年金のPR役をつとめながら、本人は未加入だった江角マキコさんが大バッシングを浴びましたが、パブリックな案件に携わっている人の不祥事や失言に世間は厳しい。悪い意味で琴線に触れやすく、クレーマー気質の人にとっては格好の餌食になる」(吉田さん)

 ひと昔前なら冗談ですんでいたかもしれない発言が、今では命取りになるほどの失言に。結婚して、女性への偏見がなくなればいいのだけれど。