もちろん、クラブでチャラさ全開だったのが翌年から急に真面目になるというのも大学生あるあるだし、けっして不自然なことではない。どちらも本当の姿なのかもしれない。しかし、数少ない小室さんの人柄についての証言をたどってわかったのは、“状況によって人となりがかなり変わる”ことだ。

 それが、その時その場所によってキャラクターを適応させているのではないかというくらいの変貌ぶりなのである。

「コムロック」と「ヒムロック」

 たとえばICU在学中の一時期、“バンカラ気質”のあることで知られる男子寮で生活を送っていたときの一幕。元寮生の証言によると、小室さんは入寮に際した自己紹介でここに住む理由について、《男を上げたい》と宣言し、《コムロックと呼んでください》と言ったのだという(『週刊文春』2017年6月1日号)。

 幼いころからバイオリンを習い、何かにつけて“母を守る”と口にしてきたとされる彼から突如として発せられる「男を上げたい」という体育会系ノリ。そして「コムロックと呼んでください」。複数の報道やテレビで同級生が語っていたところによると、彼のニックネームは以前から『KK(ケイケイ)』だったとされているのだが……。

 本来、ニックネームは人からつけられるもので、自分で名乗るのはあまり普通でない。仮に呼び名を自ら決めるとしても、「友達に『KK』と呼ばれていたのでそう呼んでください」あたりがまだ理解できる範疇ではなかろうか。つまり、唐突に自ら名付けたコムロックはこれまでの彼とはなんの脈絡もないものだということがわかる。

 もしかすると、地元の群馬・高崎で喧嘩に明け暮れ“帝王”と呼ばれていたとの噂もある「ヒムロック」こと氷室京介にインスパイアを受けたのかもしれない。強そうなニックネームで男子寮のバンカラなノリに自らのキャラを当てはめにいったということか。その後の寮生活についての証言はないが、ほかの報道をみても小室さんの男気的なものは、この入寮時における自己紹介でしか見つけることができなかった。

 他にはこんなエピソードも。

 小室さんは大学卒業、『三菱東京UFJ銀行』に入行し、2年弱勤務している。入社してすぐに、これまた違った一面をみせていた。元同僚がこう証言している。

《小室さんは他人と交流しない人で、例えば、トイレや廊下であっても挨拶をせず、私と視線を合わせないようにしているようでした》

 また、部長を含めた社員10名ほどとランチをしたときは、

みんなで和気あいあいと話をしている中で、小室さんは話題に入らず、黙々と食事に集中していました。彼の家族や彼女、大学時代の話など全く聞いたことがなかったので、プライベートの情報をよほど言いたくなかったのでしょうね》(『週刊女性』2017年11月14日号)

 今度は無口キャラである。このときすでに眞子さまにプロポーズ済みでありながら、まだ世間には知られておらず、“他言無用”な状況ではあった。しかし、ここまで他人との交流を絶つのも逆に怪しいのでは? というくらいのディスコミュニケーションでミステリアスな新キャラクターを憑(ひょう)依させるのは果たして得策だろうか。

 恋バナは苦手、くらいにしておけばいいものを、「目も合わせない」「喋らない」の域まで徹底してしまったことで、いざ婚約が表沙汰になったときにこのような記事がでてしまった。