『鬼滅の刃』の勢いが2021年に入っても止まらない。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は週末だった1月2日、3日に42万5000人の観客を動員。興業収入(興収)は6億7800万円に達し、公開から12週連続で興収1位を続けている(興行通信社調べ)。

 どこが一番儲かっているのかが気になるが、意外や原作の版権を持つ集英社ではないという声をよく聞く。「ソニーでしょう」(大手出版社社員)。どういうことなのか。以下、考えてみたい。

劇場版の興行収入は
歴代最高を記録!

 まず、『鬼滅の刃』の単行本は12月4日に最終巻の第23巻が発売され、累計発行部数は1億2000万部を超える見通し。すると売上高は500億円以上になる。

 印税は8~10%程度で、その中から40~50億円以上が原作者の吾峠呼世晴さん(31)の手にわたる残り約450~460億円以上から単行本制作費を除いた金額が集英社に入る。

 一方、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(以下、劇場版)の1月3日までの累計観客動員数は2548万人。興行収入(興収)は歴代最高の346億円を記録している。

勢い止まらぬ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

 興収とは入場料の総額。その約半分が上映した映画館に入る。シネコンの中には劇場版を1日に10~20回以上も上映するところがあるが、それはファンサービスばかりが目的ではない。観客を入れれば入れるほど儲かるからだ。1月3日現在、各映画館には約173億円が入ったことになる。

 映画館の取り分を引いた残り約173億円は配給収入(配収)と呼ばれる。ここから、まず約20%が配給会社に入る。劇場版の場合、金額にすると約34億6000万円。配給会社は東宝とアニプレックスで、それぞれの取り分は推定約17億3000万円ずつと見られる。

 アニプレックスという会社の存在はアニメファンならずともご存じではないだろうか。アニメの制作や映画館への配給、テレビ局へのアニメ番組の販売などを行っており、『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(2005年)や『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』(2012年)などの制作にも携わってきた。設立は1995年で歴史は浅いが、ヒット作を次々と放っており、アニメ界の一大勢力と化している。

 同社はソニー傘下のソニーミュージックグループの一員だ。『鬼滅の刃』の歌姫と言えるLiSAが所属する芸能プロダクション、ソニー・ミュージックアーティスツもグループに属する。さらにLiSAの作品を発売するレコード会社もやはりグループのソニーミュージック。各社の収益はもちろんソニーの決算に反映される。