視聴者の声を代弁

 確かに、『女性自身』(2019年10月16日掲載)のインタビューで、自身のことを「芸能界しか知らない偏った人間」とし、世間の人が何に興味があるかわからなくなったときは、妻に意見を求めることを明かしている。

「等身大で常に視聴者目線。視聴者が今知りたいことにアンテナを張って、その代弁者として専門家に質問をぶつけていく。自身の意見というよりは、あくまでも視聴者はこう思ってますよ? というスタンス。坂上さんや小倉(智昭)さんは“僕の意見として言いますけど”という前提で話すことが多いですね

 さらにSNSでは恵のMCに対して《偉い人たちに媚びてる感じがイヤだ》なんて意見も聞こえてくるが、これについてはどう考えるか。

確かに、大物とか力を持っていそうな人には、敬意を払って、悪い言い方をすればおもねることを否としないところがあります。でもそれは、ご自身の中で、批判したり噛み付くのを求められてないことがわかってるのかと

 それが中継リポーターやお天気キャスターが相手になると、つい芸人さんらしいところが出ちゃう。『関口宏の東京フレンドパーク』(TBS系)でゲストをイジったりする感じというか、本来はノリのいいお調子者のキャラなので、そういうクセが出てしまうんだと思います」

 目立ってナンボの世界。自分の色を消すというのは、そう簡単なことではないだろう。

「芸人さんは特にそうだと思いますよ。コント師としての恵さんは素晴らしい方。それに『下町ロケット』に出演するなど演技もうまい。僕からしたら、“昭和的な情報番組の司会者を演じている”ようにも見えるし、淡々と司会をやってる姿は本当の恵さんじゃないのかなと。恵さんも中山秀征さんも、番組前にすごい勉強する真面目な方なんですよ。スタッフから求められ、世間から受け入れられているキャラを、全うしている感じがしますね」

 どんな人にも必ずアンチはいる。だが、よくも悪くもあまり話題にならないものの、結果的に数字を出し、10年以上も“番組の顔”であり続ける恵は、結局のところ“勝ち組”なのかもしれない。