今の父がやっていることは逃げているだけ

「父と母が離婚した後、突然、父の代理人から“家から退去するように”という通達が届きました。家族で住んでいた実家の家財道具を全部引っ張り出して、母と妹が新しく住むところを見つけて、引っ越しを完了するというのは簡単ではなかったです。その中で、あのハーレーダビッドソンをどうするか、という話に」

 退去に際し、貴乃花の関係者2人が“様子を確認したい”と立ち会った。その中で“お互いに必要のないものは捨てる”“売れるものは売る”という話になったという。

「たしかに父が買ったバイクなんですが、もう7、8年ずっと埃をかぶったまま。エンジンはかからないし、タンクからガソリンが漏れているような状態でした。父のもとに運ぶにしてもレッカーで運ばないといけない。その費用はどうするのか? すると立ち会った方が“親方がバイクは優一がどうにかするだろう、って言ってましたよ”と」

『週刊女性』のインタビューを受ける花田優一
『週刊女性』のインタビューを受ける花田優一
【写真】苦悶の表情を浮かべインタビューに応じた花田優一氏

 地上2階、地下1階の大きな家。家財道具の処分費用や引っ越し費用は重い出費だ。それら退去にまつわる費用はすべて景子さんが負担した。優一氏は「それならば」と、バイクの売却代金を退去費用の足しに、と考えた。

「だからその場で“査定してもらって売れるなら、その代金を引っ越し費用に充てさせてもらいたいんですが、いいですか?”と関係者の方々にお話ししました。すると“それでいいと思いますよ”と」

 警察から“お父さんがバイク盗難の被害届を出すと言っているんですが、どういう事情ですか?”と連絡が入ったのは、引っ越し完了から数か月後のことだった。事情を説明すると、貴乃花側は納得し、優一氏も説明不足だったことを謝罪した。事件化することはなく解決した、はずだったが、なぜか週刊誌で報道される騒ぎに……。

「本来の父は本当に優しかった。人に手を上げるなんて絶対になかったし、他人の悪口を言うことすらありませんでした。何があっても、僕にとって父は父ですので、どうなろうとも受け止めますが、人が変わってしまいました。最高に強くて、最高にカッコいい男だった。父のようになりたくて、ただただ憧れていましたが、今の父がやっていることは逃げているだけ。本当に強い男は、そんなこと絶対にしない。僕の知っている貴乃花は、仕事でも私生活でも絶対に逃げたりしません」

 それでも優一氏は、父として、男として、ひとりの人間として、貴乃花に今も絶対的な尊敬の念を抱き続けている。そして、待ち続けている。

父が成し遂げてきたことをいちばん近くで見てきました。誰もが成し遂げられることではないことをやり切ったことへのリスペクトは消えませんし、何より僕も妹たちも、父の大きな愛でここまで育ててもらいました。いつか全部笑い話にして、家族で食卓を囲める日が来ると信じていますし、それが長男としての責任だと思っています

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 インタビューの中で語られた、モラハラやDVにも等しい貴乃花の行為について、週刊女性は、もうひとりの当事者である景子さんに話を聞いた。

正直、この件については何もお答えしたくない思いです。ただ息子がこのような話をする状況になったその気持ちもわかります。愛情あふれた父と子が対立しなくてはいけないこの状況が苦しくもあります。親子であることに変わりはないですから、いつの日か、父と子で普通に語り合えるよう、どうか静かに見守っていただけたらという思いです

 また貴乃花の所属事務所にも同様に事実確認を求めた。

完全に事実無根です。とても看過できる内容ではありません。ないものは本当にないので」(担当者)

 息子の必死な叫びは、父には届くのか――。